編組シールド
編組シールド(braided shield、braid shield)は、細い導体を組み紐状に交差させてケーブル芯線の周囲を覆うシールド構造である。
音響ケーブル、同軸ケーブル、データケーブルなどで広く用いられ、機械的な安定性、比較的低いシールド抵抗、繰り返し屈曲への耐性を得やすい。
構造
編組シールドでは、複数本の細線を束にし、右回りと左回りのグループを互いに交差させながらケーブル芯の周囲へ編む。
Beldenはbraid shieldを、裸銅線・すずめっき銅線・アルミ線などのstrand groupをclockwise/counterclockwiseに織り合わせる構造として説明している。[1]
編組密度
編組シールドでは、芯線外周を導体が覆う割合を編組密度またはshield coverageとして表す。
100%の完全被覆ではなく、編み目の隙間を持つ。
Beldenは典型的なbraid coverageを80〜95%程度としている。[2]
カナレL-4E6Sでは94%以上、L-4E5Cでは96%以上の高密度編組シールドが仕様化されている。[3]
シールド抵抗
多数の銅線を並列的に配置するため、編組シールドは低いDC resistanceを実現しやすい。
音響ケーブルではshieldをsignal returnとして使うunbalanced connectionや、pin 1 / chassis connectionとして使うbalanced cableでこの特性が関係する。
機械特性
編組構造は、ケーブルを曲げても導体同士の交差関係が比較的保たれる。
カナレは編組シールドについて、延ばす・巻き取る動作を頻繁に繰り返してもshieldが乱れにくいとして、hand microphone cableやextension cableへの適性を説明している。[4]
可搬ケーブル、stage cable、microphone cableなどではこの機械的安定性が重要になる。
端末処理
編組シールドをコネクターへ結線する際には、編み目をほぐして導体をまとめる方法や、編組を押し広げて内部導体を引き出す方法などがある。
高密度braidはshield continuityに優れる一方、端末処理には時間と作業精度が必要になる。
Beldenもbraid shieldはspiral/foilよりterminationが難しい場合があると説明している。[5]
audio cableでの利用
代表的な用途は、
- microphone cable
- balanced line cable
- instrument cable
- patch cable
- multicore cable
- coaxial cable
など。
カナレL-4E6SやMogami 2549など、多数のprofessional audio cableで編組シールドが採用される。
スパイラルシールドとの比較
スパイラルシールドでは細線を編まず、ケーブル芯の周囲へ螺旋状に巻く。
編組は交差構造を持つため、伸縮や屈曲時のshape stabilityを得やすい。
スパイラルは端末処理が簡単で、設計によって高いcoverageと柔軟性を得られる。
最終的な耐屈曲性や用途適性は、strand径、coverage、pitch、jacket、ケーブル全体構造にも左右される。
フォイルシールドとの比較
フォイルシールドは金属箔を使うため100% coverageを得やすい。
編組シールドは導体抵抗、機械強度、flexibilityの面で有利な設計が可能である。
foil + braidを重ねたcombination shieldも広く用いられる。
材料
編組材には、
- 裸銅
- すずめっき銅
- 銀めっき銅
- アルミニウム
などが使われる。
audio cableでは裸銅またはすずめっき銅が一般的である。