Soundcraft EPM: Difference between revisions

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Soundcraft EPMシリーズのEPM6、EPM8、EPM12、GB30マイクプリアンプ、入出力、AUX、仕様と用途を詳説
 
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'''Soundcraft EPM'''(サウンドクラフト EPM)は、[[<tvar name=1>Special:MyLanguage/Soundcraft</tvar>|Soundcraft]]が展開するコンパクトなアナログ[[<tvar name=2>Special:MyLanguage/ミキサー</tvar>|ミキサー]]のシリーズである。'''EPM6'''、'''EPM8'''、'''EPM12'''の3モデルからなり、それぞれ6、8、12系統のモノラル・マイク/ライン入力と2系統のステレオ入力を備える。
'''Soundcraft EPM'''(サウンドクラフト EPM)は、[[<tvar name=1>Special:MyLanguage/Soundcraft</tvar>|Soundcraft]]が展開するコンパクトなアナログ[[<tvar name=2>Special:MyLanguage/ミキサー</tvar>|ミキサー]]のシリーズである。'''EPM6'''、'''EPM8'''、'''EPM12'''の3モデルからなり、それぞれ6、8、12系統のモノラル・マイク/ライン入力と2系統のステレオ入力を備える。


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EPMシリーズは内蔵デジタルエフェクトを持たず、2系統の設定可能な[[<tvar name=3>Special:MyLanguage/AUX</tvar>|AUX]]バス、GB30マイクプリアンプ、3バンドEQ、チャンネルインサートなどを備える比較的簡潔な構成を特徴とする。ライブPA、リハーサル、設備音響、礼拝施設、レコーディングなどの用途を想定している。
EPMシリーズは内蔵デジタルエフェクトを持たず、2系統の設定可能な[[<tvar name=3>Special:MyLanguage/AUX</tvar>|AUX]]バス、GB30マイクプリアンプ、3バンドEQ、チャンネルインサートなどを備える比較的簡潔な構成を特徴とする。ライブPA、リハーサル、設備音響、礼拝施設、レコーディングなどの用途を想定している。


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== 概要 ==
== 概要 ==
EPMは、Soundcraftの小型アナログコンソールとして、操作面を過度に複雑化せず、基本的な入力、EQ、AUX、パン、フェーダー、モニター、メイン出力を一台へまとめたシリーズである。
EPMは、Soundcraftの小型アナログコンソールとして、操作面を過度に複雑化せず、基本的な入力、EQ、AUX、パン、フェーダー、モニター、メイン出力を一台へまとめたシリーズである。


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シリーズのモデル名はモノラル入力数に対応する。
シリーズのモデル名はモノラル入力数に対応する。


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{| class="wikitable"
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! モデル !! モノラル入力 !! ステレオ入力 !! 概要
! モデル !! モノラル入力 !! ステレオ入力 !! 概要
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Soundcraftはこれらを'''6+2、8+2、12+2'''のフレームサイズとして表記している。「+2」は2系統のステレオ入力チャンネルを意味する。
Soundcraftはこれらを'''6+2、8+2、12+2'''のフレームサイズとして表記している。「+2」は2系統のステレオ入力チャンネルを意味する。


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== 登場と位置づけ ==
== 登場と位置づけ ==
EPMシリーズは2006年に登場した。日本では当時の国内代理店によってEPM6、EPM8、EPM12の3モデルが2006年7月に発売された。
EPMシリーズは2006年に登場した。日本では当時の国内代理店によってEPM6、EPM8、EPM12の3モデルが2006年7月に発売された。


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EPMは、それ以前のSoundcraftのコンパクト・アナログ製品、とりわけSpirit E Seriesが担っていた小〜中規模のライブ/設備/レコーディング用途を継承する系列として位置づけられる。
EPMは、それ以前のSoundcraftのコンパクト・アナログ製品、とりわけSpirit E Seriesが担っていた小〜中規模のライブ/設備/レコーディング用途を継承する系列として位置づけられる。


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一方、後に登場した[[<tvar name=4>Special:MyLanguage/Soundcraft EFX</tvar>|Soundcraft EFX]]はEPMの基本設計を基礎としつつ、[[<tvar name=5>Special:MyLanguage/Lexicon</tvar>|Lexicon]]製24-bitデジタルエフェクトプロセッサーを内蔵する。したがってEPMは、外部エフェクトを使用する、またはエフェクト自体を必要としない用途に向く、より単純な信号構成を持つ。
一方、後に登場した[[<tvar name=4>Special:MyLanguage/Soundcraft EFX</tvar>|Soundcraft EFX]]はEPMの基本設計を基礎としつつ、[[<tvar name=5>Special:MyLanguage/Lexicon</tvar>|Lexicon]]製24-bitデジタルエフェクトプロセッサーを内蔵する。したがってEPMは、外部エフェクトを使用する、またはエフェクト自体を必要としない用途に向く、より単純な信号構成を持つ。


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== GB30マイクプリアンプ ==
== GB30マイクプリアンプ ==
モノラル入力には'''GB30 Mic Amp'''を採用する。GB30はSoundcraft共同創業者Graham Blyth(グラハム・ブライス)が同社30周年に合わせて設計したマイクプリアンプで、LX7iiやGB Seriesにも採用された。
モノラル入力には'''GB30 Mic Amp'''を採用する。GB30はSoundcraft共同創業者Graham Blyth(グラハム・ブライス)が同社30周年に合わせて設計したマイクプリアンプで、LX7iiやGB Seriesにも採用された。


<!--T:11-->
SoundcraftはEPMのGB30について、55 dBの広いゲイン調整範囲と、コンソール内部で+22 dBのヘッドルームを特徴として挙げている。
SoundcraftはEPMのGB30について、55 dBの広いゲイン調整範囲と、コンソール内部で+22 dBのヘッドルームを特徴として挙げている。


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各モノラルチャンネルは[[<tvar name=6>Special:MyLanguage/XLR</tvar>|XLR]]マイク入力と1/4インチ・ライン入力を備え、コンデンサーマイク用の'''48 Vファンタム電源'''にも対応する。
各モノラルチャンネルは[[<tvar name=6>Special:MyLanguage/XLR</tvar>|XLR]]マイク入力と1/4インチ・ライン入力を備え、コンデンサーマイク用の'''48 Vファンタム電源'''にも対応する。


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ライン入力とマイク入力は用途が異なる。マイクロフォンの低レベル信号はマイクプリアンプで増幅する一方、DJコントローラー、オーディオインターフェース、外部ミキサーなどのラインレベル機器は、通常はライン入力へ接続する。
ライン入力とマイク入力は用途が異なる。マイクロフォンの低レベル信号はマイクプリアンプで増幅する一方、DJコントローラー、オーディオインターフェース、外部ミキサーなどのラインレベル機器は、通常はライン入力へ接続する。


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== モノラル入力チャンネル ==
== モノラル入力チャンネル ==
モノラルチャンネルの基本的な信号処理は次の通りである。
モノラルチャンネルの基本的な信号処理は次の通りである。


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* XLRマイク入力
* XLRマイク入力
* 1/4インチ・バランス対応ライン入力
* 1/4インチ・バランス対応ライン入力
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* [[<tvar name=8>Special:MyLanguage/TRS</tvar>|TRS]]インサート
* [[<tvar name=8>Special:MyLanguage/TRS</tvar>|TRS]]インサート


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3バンドEQは、高域/低域のシェルビングと、周波数を可変できる中域を組み合わせた構成である。ライブ音響では、マイクや楽器の音色補正、不要な中域の整理、明瞭度の調整などに使用される。
3バンドEQは、高域/低域のシェルビングと、周波数を可変できる中域を組み合わせた構成である。ライブ音響では、マイクや楽器の音色補正、不要な中域の整理、明瞭度の調整などに使用される。


<!--T:17-->
== PEAKインジケーター ==
== PEAKインジケーター ==
EPMのチャンネルPEAK LEDは、単一地点だけを監視するのではなく、チャンネルストリップ内の複数地点から信号を監視する方式を採用する。
EPMのチャンネルPEAK LEDは、単一地点だけを監視するのではなく、チャンネルストリップ内の複数地点から信号を監視する方式を採用する。


<!--T:18-->
Soundcraftは、このmultipoint signal monitoringによってチャンネル内の異なる段で発生する過大レベルを検出し、ピークへ近づくほどLEDが明るくなる設計として説明している。
Soundcraftは、このmultipoint signal monitoringによってチャンネル内の異なる段で発生する過大レベルを検出し、ピークへ近づくほどLEDが明るくなる設計として説明している。


<!--T:19-->
この表示は適切な[[<tvar name=9>Special:MyLanguage/ゲインステージング</tvar>|ゲインステージング]]を行うための補助となる。PEAK LEDが継続的に点灯する状態では、入力ゲインや上流機器の出力レベルを確認する必要がある。
この表示は適切な[[<tvar name=9>Special:MyLanguage/ゲインステージング</tvar>|ゲインステージング]]を行うための補助となる。PEAK LEDが継続的に点灯する状態では、入力ゲインや上流機器の出力レベルを確認する必要がある。


<!--T:20-->
== ステレオ入力 ==
== ステレオ入力 ==
各モデルは2系統のステレオ入力チャンネルを備える。
各モデルは2系統のステレオ入力チャンネルを備える。


<!--T:21-->
ステレオ入力は左右一対の1/4インチ・ライン入力を使用し、キーボード、DJ機器、再生機器、外部エフェクトのステレオリターンなどのラインレベル信号を受ける用途に適する。
ステレオ入力は左右一対の1/4インチ・ライン入力を使用し、キーボード、DJ機器、再生機器、外部エフェクトのステレオリターンなどのラインレベル信号を受ける用途に適する。


<!--T:22-->
ステレオチャンネルのEQは2バンド構成で、モノラルチャンネルのようなスイープ可能な中域は持たない。
ステレオチャンネルのEQは2バンド構成で、モノラルチャンネルのようなスイープ可能な中域は持たない。


<!--T:23-->
ステレオソースをモノラルチャンネル2本へ入力することも可能だが、ステレオ入力を使用すれば1本のチャンネルストリップで左右のレベルとバランスを扱える。
ステレオソースをモノラルチャンネル2本へ入力することも可能だが、ステレオ入力を使用すれば1本のチャンネルストリップで左右のレベルとバランスを扱える。


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== AUXバス ==
== AUXバス ==
EPMは2系統のAUXバスを備える。
EPMは2系統のAUXバスを備える。


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AUXはメインミックスとは別に信号を取り出すためのバスであり、主に次の用途で使用される。
AUXはメインミックスとは別に信号を取り出すためのバスであり、主に次の用途で使用される。


<!--T:26-->
* ステージモニター/フォールドバック
* ステージモニター/フォールドバック
* 外部[[<tvar name=10>Special:MyLanguage/リバーブ</tvar>|リバーブ]]
* 外部[[<tvar name=10>Special:MyLanguage/リバーブ</tvar>|リバーブ]]
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* 録音/配信用の補助ミックス
* 録音/配信用の補助ミックス


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EPMの2系統AUXは、マスター部でpre-fader / post-faderを選択できる。
EPMの2系統AUXは、マスター部でpre-fader / post-faderを選択できる。


<!--T:28-->
'''Pre-fader'''ではチャンネルフェーダーの操作による影響を受けにくいため、演奏者用モニターミックスに適する。'''Post-fader'''ではメインフェーダーのレベル変更に追従するため、外部エフェクトsendなどで扱いやすい。
'''Pre-fader'''ではチャンネルフェーダーの操作による影響を受けにくいため、演奏者用モニターミックスに適する。'''Post-fader'''ではメインフェーダーのレベル変更に追従するため、外部エフェクトsendなどで扱いやすい。


<!--T:29-->
== 外部エフェクトとの接続 ==
== 外部エフェクトとの接続 ==
EPMは内蔵エフェクトを持たないため、必要に応じて外部[[<tvar name=12>Special:MyLanguage/エフェクター</tvar>|エフェクトプロセッサー]]を接続する。
EPMは内蔵エフェクトを持たないため、必要に応じて外部[[<tvar name=12>Special:MyLanguage/エフェクター</tvar>|エフェクトプロセッサー]]を接続する。


<!--T:30-->
典型的なsend / return構成は次のようになる。
典型的なsend / return構成は次のようになる。


<!--T:31-->
'''EPM AUX OUT → 外部リバーブ/ディレイ → EPMのステレオ入力または空いているライン入力'''
'''EPM AUX OUT → 外部リバーブ/ディレイ → EPMのステレオ入力または空いているライン入力'''


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この場合、エフェクト側を100% wetに設定し、EPM側のAUX send量とreturnレベルによって原音とエフェクト音の比率を調整する方式が一般的である。ただし、外部機器のルーティング仕様によって適切な設定は異なる。
この場合、エフェクト側を100% wetに設定し、EPM側のAUX send量とreturnレベルによって原音とエフェクト音の比率を調整する方式が一般的である。ただし、外部機器のルーティング仕様によって適切な設定は異なる。


<!--T:33-->
== インサート ==
== インサート ==
各モノラル入力とメインミックスにはインサート端子を備える。
各モノラル入力とメインミックスにはインサート端子を備える。


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[[<tvar name=13>Special:MyLanguage/インサート</tvar>|インサート]]はチャンネルの信号経路へ外部プロセッサーを直列に挿入する接続で、AUX send / returnのような並列処理とは異なる。
[[<tvar name=13>Special:MyLanguage/インサート</tvar>|インサート]]はチャンネルの信号経路へ外部プロセッサーを直列に挿入する接続で、AUX send / returnのような並列処理とは異なる。


<!--T:35-->
代表的な用途は次の通り。
代表的な用途は次の通り。


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* [[<tvar name=14>Special:MyLanguage/コンプレッサー</tvar>|コンプレッサー]]
* [[<tvar name=14>Special:MyLanguage/コンプレッサー</tvar>|コンプレッサー]]
* [[<tvar name=15>Special:MyLanguage/ノイズゲート</tvar>|ノイズゲート]]
* [[<tvar name=15>Special:MyLanguage/ノイズゲート</tvar>|ノイズゲート]]
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* その他のチャンネル処理
* その他のチャンネル処理


<!--T:37-->
TRSインサート端子では、TipとRingにsend / returnを割り当てたインサートケーブルを使用する。
TRSインサート端子では、TipとRingにsend / returnを割り当てたインサートケーブルを使用する。


<!--T:38-->
== 2-track入出力 ==
== 2-track入出力 ==
EPMは[[<tvar name=16>Special:MyLanguage/RCA</tvar>|RCA]]端子によるステレオ再生入力と録音出力を備える。
EPMは[[<tvar name=16>Special:MyLanguage/RCA</tvar>|RCA]]端子によるステレオ再生入力と録音出力を備える。


<!--T:39-->
2-track入力はBGMや記録再生機器などのステレオソースを入力する用途に使用でき、record outputはメインミックスを外部レコーダー等へ送る用途に利用できる。
2-track入力はBGMや記録再生機器などのステレオソースを入力する用途に使用でき、record outputはメインミックスを外部レコーダー等へ送る用途に利用できる。


<!--T:40-->
現代のUSBオーディオインターフェースを内蔵するミキサーとは異なり、EPM自身にはUSBオーディオ機能を持たない。このためコンピューターへ録音する場合は、必要に応じて別途[[<tvar name=17>Special:MyLanguage/オーディオインターフェース</tvar>|オーディオインターフェース]]等を使用する。
現代のUSBオーディオインターフェースを内蔵するミキサーとは異なり、EPM自身にはUSBオーディオ機能を持たない。このためコンピューターへ録音する場合は、必要に応じて別途[[<tvar name=17>Special:MyLanguage/オーディオインターフェース</tvar>|オーディオインターフェース]]等を使用する。


<!--T:41-->
== メイン出力とモニター ==
== メイン出力とモニター ==
メインのステレオMIX L/R出力はバランスXLRを使用する。
メインのステレオMIX L/R出力はバランスXLRを使用する。


<!--T:42-->
この出力は通常、[[<tvar name=18>Special:MyLanguage/スピーカー・マネジメント・システム</tvar>|スピーカー・マネジメント・システム]]、[[<tvar name=19>Special:MyLanguage/パワーアンプ</tvar>|パワーアンプ]]、[[<tvar name=20>Special:MyLanguage/パワードスピーカー</tvar>|パワードスピーカー]]、録音系統などへ送る。
この出力は通常、[[<tvar name=18>Special:MyLanguage/スピーカー・マネジメント・システム</tvar>|スピーカー・マネジメント・システム]]、[[<tvar name=19>Special:MyLanguage/パワーアンプ</tvar>|パワーアンプ]]、[[<tvar name=20>Special:MyLanguage/パワードスピーカー</tvar>|パワードスピーカー]]、録音系統などへ送る。


<!--T:43-->
PAシステムで[[<tvar name=21>Special:MyLanguage/dbx DriveRack PA2</tvar>|dbx DriveRack PA2]]のようなプロセッサーを使用する場合は、一例として次のような信号順となる。
PAシステムで[[<tvar name=21>Special:MyLanguage/dbx DriveRack PA2</tvar>|dbx DriveRack PA2]]のようなプロセッサーを使用する場合は、一例として次のような信号順となる。


<!--T:44-->
'''音源/マイク → Soundcraft EPM → DriveRack PA2 → パワーアンプ/パワードスピーカー'''
'''音源/マイク → Soundcraft EPM → DriveRack PA2 → パワーアンプ/パワードスピーカー'''


<!--T:45-->
EPMにはモニター出力とヘッドホン出力もあり、PFLや2-track信号等の監視に使用する。
EPMにはモニター出力とヘッドホン出力もあり、PFLや2-track信号等の監視に使用する。


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== 主な仕様 ==
== 主な仕様 ==
シリーズ共通の代表的な仕様は次の通り。
シリーズ共通の代表的な仕様は次の通り。


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! 項目 !! 仕様
! 項目 !! 仕様
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== 外形寸法と質量 ==
== 外形寸法と質量 ==
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3モデルは基本的な回路・機能を共有し、主にモノラル入力数と筐体幅が異なる。
3モデルは基本的な回路・機能を共有し、主にモノラル入力数と筐体幅が異なる。


<!--T:50-->
== EFXシリーズとの違い ==
== EFXシリーズとの違い ==
[[<tvar name=22>Special:MyLanguage/Soundcraft EFX</tvar>|EFX Series]]は、EPMを基礎にLexicon製24-bitデジタルエフェクトを統合した系列である。
[[<tvar name=22>Special:MyLanguage/Soundcraft EFX</tvar>|EFX Series]]は、EPMを基礎にLexicon製24-bitデジタルエフェクトを統合した系列である。


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! 項目 !! EPM !! EFX
! 項目 !! EPM !! EFX
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外部ラックエフェクトを既に所有している場合や、エフェクトを必要としない設備ではEPMの簡潔な構成が扱いやすい。一方、単体でリバーブやディレイまで完結させたい場合はEFXの内蔵FXが有用となる。
外部ラックエフェクトを既に所有している場合や、エフェクトを必要としない設備ではEPMの簡潔な構成が扱いやすい。一方、単体でリバーブやディレイまで完結させたい場合はEFXの内蔵FXが有用となる。


<!--T:53-->
== 接続上の注意 ==
== 接続上の注意 ==
EPMのXLRモノラル入力は主としてマイク入力であり、1/4インチ端子はライン入力として用いられる。
EPMのXLRモノラル入力は主としてマイク入力であり、1/4インチ端子はライン入力として用いられる。


<!--T:54-->
DJコントローラーやオーディオインターフェース等のバランス・ライン出力をEPMへ接続する場合、出力側と入力側の端子/レベル仕様を確認し、ライン入力を使用するのが基本である。例えばXLRバランス出力を1/4インチTRSライン入力へ接続する場合、正しく結線された'''XLR female → TRS'''ケーブルでバランス接続を維持できる。
DJコントローラーやオーディオインターフェース等のバランス・ライン出力をEPMへ接続する場合、出力側と入力側の端子/レベル仕様を確認し、ライン入力を使用するのが基本である。例えばXLRバランス出力を1/4インチTRSライン入力へ接続する場合、正しく結線された'''XLR female → TRS'''ケーブルでバランス接続を維持できる。


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端子形状だけでなく、[[<tvar name=23>Special:MyLanguage/マイクレベル</tvar>|マイクレベル]]と[[<tvar name=24>Special:MyLanguage/ラインレベル</tvar>|ラインレベル]]の違いを確認することが重要である。
端子形状だけでなく、[[<tvar name=23>Special:MyLanguage/マイクレベル</tvar>|マイクレベル]]と[[<tvar name=24>Special:MyLanguage/ラインレベル</tvar>|ラインレベル]]の違いを確認することが重要である。


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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[<tvar name=25>Special:MyLanguage/Soundcraft</tvar>|Soundcraft]]
* [[<tvar name=25>Special:MyLanguage/Soundcraft</tvar>|Soundcraft]]
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* [[<tvar name=35>Special:MyLanguage/dbx DriveRack PA2</tvar>|dbx DriveRack PA2]]
* [[<tvar name=35>Special:MyLanguage/dbx DriveRack PA2</tvar>|dbx DriveRack PA2]]


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== 参考資料 ==
== 参考資料 ==
* [https://www.soundcraft.com/en-US/product_families/epm-series Soundcraft - EPM Series]
* [https://www.soundcraft.com/en-US/product_families/epm-series Soundcraft - EPM Series]

Latest revision as of 04:04, 8 October 2026

Soundcraft EPM(サウンドクラフト EPM)は、Soundcraftが展開するコンパクトなアナログミキサーのシリーズである。EPM6、EPM8、EPM12の3モデルからなり、それぞれ6、8、12系統のモノラル・マイク/ライン入力と2系統のステレオ入力を備える。

EPMシリーズは内蔵デジタルエフェクトを持たず、2系統の設定可能なAUXバス、GB30マイクプリアンプ、3バンドEQ、チャンネルインサートなどを備える比較的簡潔な構成を特徴とする。ライブPA、リハーサル、設備音響、礼拝施設、レコーディングなどの用途を想定している。

概要

EPMは、Soundcraftの小型アナログコンソールとして、操作面を過度に複雑化せず、基本的な入力、EQ、AUX、パン、フェーダー、モニター、メイン出力を一台へまとめたシリーズである。

シリーズのモデル名はモノラル入力数に対応する。

モデル モノラル入力 ステレオ入力 概要
EPM6 6 2 最小フレーム
EPM8 8 2 中間フレーム
EPM12 12 2 最大フレーム

Soundcraftはこれらを6+2、8+2、12+2のフレームサイズとして表記している。「+2」は2系統のステレオ入力チャンネルを意味する。

登場と位置づけ

EPMシリーズは2006年に登場した。日本では当時の国内代理店によってEPM6、EPM8、EPM12の3モデルが2006年7月に発売された。

EPMは、それ以前のSoundcraftのコンパクト・アナログ製品、とりわけSpirit E Seriesが担っていた小〜中規模のライブ/設備/レコーディング用途を継承する系列として位置づけられる。

一方、後に登場したSoundcraft EFXはEPMの基本設計を基礎としつつ、Lexicon製24-bitデジタルエフェクトプロセッサーを内蔵する。したがってEPMは、外部エフェクトを使用する、またはエフェクト自体を必要としない用途に向く、より単純な信号構成を持つ。

GB30マイクプリアンプ

モノラル入力にはGB30 Mic Ampを採用する。GB30はSoundcraft共同創業者Graham Blyth(グラハム・ブライス)が同社30周年に合わせて設計したマイクプリアンプで、LX7iiやGB Seriesにも採用された。

SoundcraftはEPMのGB30について、55 dBの広いゲイン調整範囲と、コンソール内部で+22 dBのヘッドルームを特徴として挙げている。

各モノラルチャンネルはXLRマイク入力と1/4インチ・ライン入力を備え、コンデンサーマイク用の48 Vファンタム電源にも対応する。

ライン入力とマイク入力は用途が異なる。マイクロフォンの低レベル信号はマイクプリアンプで増幅する一方、DJコントローラー、オーディオインターフェース、外部ミキサーなどのラインレベル機器は、通常はライン入力へ接続する。

モノラル入力チャンネル

モノラルチャンネルの基本的な信号処理は次の通りである。

  • XLRマイク入力
  • 1/4インチ・バランス対応ライン入力
  • ゲイン
  • 3バンドEQ(中域は周波数可変)
  • 2系統AUX send
  • PAN
  • MUTE
  • PFL(Pre-Fade Listen)
  • PEAK表示
  • 60 mmフェーダー
  • TRSインサート

3バンドEQは、高域/低域のシェルビングと、周波数を可変できる中域を組み合わせた構成である。ライブ音響では、マイクや楽器の音色補正、不要な中域の整理、明瞭度の調整などに使用される。

PEAKインジケーター

EPMのチャンネルPEAK LEDは、単一地点だけを監視するのではなく、チャンネルストリップ内の複数地点から信号を監視する方式を採用する。

Soundcraftは、このmultipoint signal monitoringによってチャンネル内の異なる段で発生する過大レベルを検出し、ピークへ近づくほどLEDが明るくなる設計として説明している。

この表示は適切なゲインステージングを行うための補助となる。PEAK LEDが継続的に点灯する状態では、入力ゲインや上流機器の出力レベルを確認する必要がある。

ステレオ入力

各モデルは2系統のステレオ入力チャンネルを備える。

ステレオ入力は左右一対の1/4インチ・ライン入力を使用し、キーボード、DJ機器、再生機器、外部エフェクトのステレオリターンなどのラインレベル信号を受ける用途に適する。

ステレオチャンネルのEQは2バンド構成で、モノラルチャンネルのようなスイープ可能な中域は持たない。

ステレオソースをモノラルチャンネル2本へ入力することも可能だが、ステレオ入力を使用すれば1本のチャンネルストリップで左右のレベルとバランスを扱える。

AUXバス

EPMは2系統のAUXバスを備える。

AUXはメインミックスとは別に信号を取り出すためのバスであり、主に次の用途で使用される。

  • ステージモニター/フォールドバック
  • 外部リバーブ
  • 外部ディレイ
  • 追加スピーカー系統
  • 録音/配信用の補助ミックス

EPMの2系統AUXは、マスター部でpre-fader / post-faderを選択できる。

Pre-faderではチャンネルフェーダーの操作による影響を受けにくいため、演奏者用モニターミックスに適する。Post-faderではメインフェーダーのレベル変更に追従するため、外部エフェクトsendなどで扱いやすい。

外部エフェクトとの接続

EPMは内蔵エフェクトを持たないため、必要に応じて外部エフェクトプロセッサーを接続する。

典型的なsend / return構成は次のようになる。

EPM AUX OUT → 外部リバーブ/ディレイ → EPMのステレオ入力または空いているライン入力

この場合、エフェクト側を100% wetに設定し、EPM側のAUX send量とreturnレベルによって原音とエフェクト音の比率を調整する方式が一般的である。ただし、外部機器のルーティング仕様によって適切な設定は異なる。

インサート

各モノラル入力とメインミックスにはインサート端子を備える。

インサートはチャンネルの信号経路へ外部プロセッサーを直列に挿入する接続で、AUX send / returnのような並列処理とは異なる。

代表的な用途は次の通り。

TRSインサート端子では、TipとRingにsend / returnを割り当てたインサートケーブルを使用する。

2-track入出力

EPMはRCA端子によるステレオ再生入力と録音出力を備える。

2-track入力はBGMや記録再生機器などのステレオソースを入力する用途に使用でき、record outputはメインミックスを外部レコーダー等へ送る用途に利用できる。

現代のUSBオーディオインターフェースを内蔵するミキサーとは異なり、EPM自身にはUSBオーディオ機能を持たない。このためコンピューターへ録音する場合は、必要に応じて別途オーディオインターフェース等を使用する。

メイン出力とモニター

メインのステレオMIX L/R出力はバランスXLRを使用する。

この出力は通常、スピーカー・マネジメント・システム、パワーアンプ、パワードスピーカー、録音系統などへ送る。

PAシステムでdbx DriveRack PA2のようなプロセッサーを使用する場合は、一例として次のような信号順となる。

音源/マイク → Soundcraft EPM → DriveRack PA2 → パワーアンプ/パワードスピーカー

EPMにはモニター出力とヘッドホン出力もあり、PFLや2-track信号等の監視に使用する。

主な仕様

シリーズ共通の代表的な仕様は次の通り。

項目 仕様
モノラル入力 EPM6: 6 / EPM8: 8 / EPM12: 12
ステレオ入力 2系統
マイク入力 バランスXLR
モノラルLINE入力 1/4インチ、電子バランス
ステレオLINE入力 1/4インチ×L/R、電子バランス
AUX 2系統、pre/post設定可能
モノラルEQ 3バンド、swept mid
ステレオEQ 2バンド
チャンネルフェーダー 60 mm
ファンタム電源 +48 V
インサート モノラル各chおよびMIX
MIX出力 バランスXLR L/R
2-track RCA stereo playback / record
メーター 10セグメントLED
周波数特性 20 Hz–20 kHz、±0.5 dB(代表仕様)

外形寸法と質量

モデル 外形寸法(W × H × D) 質量
EPM6 280 × 91 × 362 mm 4.0 kg
EPM8 330 × 91 × 362 mm 4.6 kg
EPM12 432 × 91 × 362 mm 5.8 kg

3モデルは基本的な回路・機能を共有し、主にモノラル入力数と筐体幅が異なる。

EFXシリーズとの違い

EFX Seriesは、EPMを基礎にLexicon製24-bitデジタルエフェクトを統合した系列である。

項目 EPM EFX
内蔵デジタルFX なし Lexicon 24-bit FX
モノラル入力数 6 / 8 / 12 8 / 12
ステレオ入力 2 2
AUX / FX send 設定可能なAUX ×2 設定可能なAUX ×1+内蔵FX用send ×1

外部ラックエフェクトを既に所有している場合や、エフェクトを必要としない設備ではEPMの簡潔な構成が扱いやすい。一方、単体でリバーブやディレイまで完結させたい場合はEFXの内蔵FXが有用となる。

接続上の注意

EPMのXLRモノラル入力は主としてマイク入力であり、1/4インチ端子はライン入力として用いられる。

DJコントローラーやオーディオインターフェース等のバランス・ライン出力をEPMへ接続する場合、出力側と入力側の端子/レベル仕様を確認し、ライン入力を使用するのが基本である。例えばXLRバランス出力を1/4インチTRSライン入力へ接続する場合、正しく結線されたXLR female → TRSケーブルでバランス接続を維持できる。

端子形状だけでなく、マイクレベルとラインレベルの違いを確認することが重要である。

関連項目

参考資料