Switchcraft AAA3

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Switchcraft AAA3は、米国イリノイ州シカゴに本社を置くSwitchcraft(スイッチクラフト)のAAA Seriesに属する3接点XLRケーブルコネクタ群を指す。厳密には「AAA3」だけで一つの完成した単一型番を表すのではなく、AAA3MZ、AAA3FZ、AAA3MBAUZなど、性別、外装、接点めっき、ハンドル、ストレインリリーフ仕様を示すsuffixを伴う製品系列の共通部分である。

代表的な標準品は、オスのAAA3MZとメスのAAA3FZである。どちらも3極XLR、ケーブルマウント、はんだカップ、金属ハンドルを基本とする。

型番体系

AAA Seriesの型番は、接点数と性別、その後のオプション記号の組合せで構成される。

代表例は次の通りである。

  • AAA3MZ - 3極オス、ニッケル色金属ハンドル、銀めっき接点
  • AAA3FZ - 3極メス、ニッケル色金属ハンドル、銀めっき接点
  • AAA3MBZ / AAA3FBZ - 黒色金属外装
  • AAA3MBAUZ / AAA3FBAUZ - 黒色外装、金めっき接点
  • AAA3MPZ / AAA3FPZ - 樹脂ハンドル
  • AAA3...ZH - sealed / harsh-environment仕様
  • AAA3...LP - low-profile仕様

したがって「AAA3の仕様」を述べる際は、AAA Seriesの共通構造と、個別suffixによる差を区別する必要がある。

AAA3MZとAAA3FZ

現行メーカー製品ページでは、AAA3MZとAAA3FZに以下の仕様が示されている。

  • 3接点XLR
  • ケーブルマウント
  • chuck-style strain relief
  • はんだカップ
  • 銀めっき銅合金接点
  • 金属製(亜鉛合金)ハンドル
  • シールド構造
  • 14 AWGクラスの接点サイズ
  • 最大電流 15 A
  • 接触抵抗 最大0.05 Ω
  • 絶縁抵抗 1000 MΩ
  • 耐電圧 1000 V
  • ケーブル開口 約0.22インチ(約5.6 mm)
  • ボタンラッチ式ロック

金めっき、黒色、樹脂ハンドル、大径ストレインリリーフなどの変種があり、完全な仕様はsuffixによって変化する。

2ピース組立構造

AAA Seriesの特徴は、組立部品点数を減らした構造にある。

Switchcraftの旧カタログは、A Seriesがdual pressure plate、AA Seriesがone-piece strain reliefを用いるのに対し、AAA Seriesはtwist-on handle with built-in strain reliefとpre-loaded insertを特徴としている。

1999年のEQ誌の記事では、AAA Seriesを「QWIKTWIST Q-G connector」として紹介し、front shell側にinsertをあらかじめ組み込み、handle側にstrain reliefを統合することで、ユーザーが実質2つの主要部品を組み合わせる構成として説明している。

これはケーブル製作時の小部品紛失を減らし、組立工程を短くすることを意図した設計である。

歴史

XLRの原型そのものはSwitchcraftの発明ではない。XLR形式はCannon系コネクタから発展した。

一方、Switchcraftは1960年代の大規模コンサート、PA、マイクロフォン用途の拡大期にA3F/A3Mなどの互換XLRコネクタを供給し、同社資料ではこれらがロックコンサートから大統領演説まで広範に使用されたと説明している。

AAA Seriesはその後代のケーブルコネクタ設計である。1999年3月号のEQ誌はAAA Seriesを新製品として取り上げ、同年6月のリリース予定を報じている。したがってAAAは、Switchcraftの古典的A Seriesの歴史を継承しつつ、1990年代末に組立性とstrain reliefを再設計した世代として位置付けられる。

音楽・放送分野

3極XLRはマイクケーブル、ラインレベルのバランス接続、ステージボックス、放送設備などで広く使用される。

SwitchcraftはAAA Seriesについて、manufacturers、systems integrators、audio engineersによる世界的な利用を説明している。また同社StudioPatchケーブル製品にもAAA Series XLRが用いられている。

3極で15 Aの電流定格を持つこと自体は、通常のマイク信号で大電流を流すことを意味しない。コネクタの電気定格と、特定用途で実際に流れる信号レベルは分けて考える必要がある。

防衛・産業用途

Switchcraftは企業として、軍用・防衛、医療、輸送、計測、GPS、process control、broadcast、pro audioなど幅広い市場へコネクタを供給している。

電子部品販売会社NewarkはAAA3MZの用途分類にDefence, Military & Aerospace、Industrial、Medical、Sound & Video、Broadcast、Oil & Gasを挙げている。これはAAA3MZが音響用途だけに限定されないことを示す市場分類として有用であるが、特定の軍用機・兵器・通信装置への正式採用品であることを直接示す資料ではない。

sealed AAA3とMIL-STD

AAA Seriesには末尾ZHを持つsealed harsh-environment派生が存在する。

たとえばAAA3FAUZHやAAA3MPBAUZHのメーカー仕様では、IP66に加え、MIL-STD-202Gのmoisture resistance、salt spray、mechanical shock試験項目が記載されている。

ここで重要なのは、MIL-STD試験への適合記載と、軍用規格コネクタとしての正式なMIL-spec型番認定は同じではないことである。また、これらの環境仕様を標準AAA3MZ/AAA3FZへそのまま適用してはならない。sealed ZH系列固有の仕様として扱う必要がある。

low-profile派生

AAA Seriesには、同じconnector bodyを利用しつつ小型backshellを組み合わせたlow-profile派生も存在する。

Switchcraftの資料では、この設計はR Series right-angle XLRと比較して最大75%軽量、80%小型とされ、ケーブル出口を360度方向へ調整できる。放送、映像、カメラリグ、狭いラック内部など、重量と突出量が重要な用途を意識した発展型である。

メーカーと製造

Switchcraftは1946年にシカゴで創業し、現在の本社は5555 N. Elston Ave., Chicago, Illinoisにある。1958年から同地を主要拠点とし、1977年から1997年まではRaytheon傘下、2011年以降はHEICO CorporationのElectronic Technologies Groupに属する。Switchcraftはシカゴ工場で成形、プレス、めっき、機械加工、組立を行うと説明しており、韓国・仁川にも製造拠点を持つ。ただし、同社の公開製品ページは各部品番号について個別の製造工場を明示していないため、特定型番を一律に「シカゴ製」と断定することは避けるべきである。

SwitchcraftのAAA Series個別型番についても、公開製品ページは製造工場を型番単位では明示していない。そのため「Switchcraftは米国メーカーでありシカゴに大規模製造能力を持つ」ことと、「すべてのAAA3派生品が常に同じ工場で製造される」ことは区別して記述する必要がある。

関連項目

参考資料