Yamaha MGX16V: Difference between revisions
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Yamaha MGX16V(ヤマハ MGX16V)は、ヤマハ株式会社が展開するMGXシリーズの22チャンネルデジタルミキサーである。
8系統のMic/Lineコンボ入力、4系統のステレオライン入力、XLRステレオ出力、8系統のTRS出力、22入力22出力のUSBオーディオインターフェース、microSDカードによるマルチトラック録音、Bluetoothオーディオ入力、DSPエフェクトなどを搭載する。
MGX16VはさらにHDMI入力およびHDMI THRUを備え、映像と音声の入力、USB経由のビデオキャプチャー、リアルタイムHDMIパススルーに対応する。[1]
ライブPA、設備音響、音楽制作、ポッドキャスト、ライブ配信、映像配信など複数の用途を想定したミキシングコンソールである。
概要
MGX16Vは、ヤマハのMGシリーズをベースに、ミキシング部およびコントロール部をデジタル化したMGXシリーズの上位モデルのひとつである。
MGXシリーズには、
が存在する。[2]
モデル名末尾にVを持つMGX16VおよびMGX12Vには、HDMIによるオーディオ/ビデオインターフェース機能が搭載されている。
MGX16Vは、
- ライブミキシング
- PA
- 設備音響
- レコーディング
- ポッドキャスト
- ライブ配信
- 映像を伴う配信
- 会議・イベント
などの用途に利用できる。[2]
ミキシング構成
MGX16Vのミキシングキャパシティは次の通りである。[3]
8 Mono Inputs 4 Stereo Inputs 1 Sound Pad 2 FX Returns
バス構成は、
1 STEREO 8 MIX 2 FX 1 CUE
となる。
複数の入力信号をSTEREO OUTへ送る一般的なミキシングに加えて、8系統のMIXバスを利用して、
- モニターミックス
- 外部スピーカー系統
- 配信用ミックス
- エフェクト送り
- サブミックス
などを構成できる。
アナログ入力
MGX16Vは次のアナログ入力を備える。[3]
| 入力 | 数量 | 用途 |
|---|---|---|
| XLR/TRS Combo | 8 | Mic / Line |
| TRS | 4 | Line |
| RCA | 4 | Line |
8つのCombo入力ではXLRまたはTRSフォーンを接続できる。
マイク、DI、ワイヤレスレシーバー、楽器用プリアンプ、外部ミキサーなど、さまざまな音源を入力できる。
ヤマハはCombo入力にMGXマイクプリアンプを搭載している。[2]
アナログ出力
MGX16Vは、
- XLR ×2
- TRS ×8
のアナログ出力を備える。[3]
XLR出力は主にSTEREO OUTとして使用できる。
STEREO OUT L STEREO OUT R
TRS出力はOMNI OUTとして、MIXバスなど各種内部信号を柔軟に割り当てることができる。
PAシステムでは例えば、
Yamaha MGX16V
↓ XLR L/R
Crossover / Speaker Processor
↓
Power Amplifiers
↓
Passive Speakers
という構成を作ることができる。
XLRステレオ出力
MGX16VのSTEREO OUTはXLRコネクタを使用する。
PAシステムでは、XLR Female-to-Maleのバランスケーブルを使用して、
MGX16V STEREO OUT
↓
Crossover
↓
Power Amplifier
のような接続を構成できる。
一般的なXLRバランス配線は、
Pin 1 = Ground / Shield Pin 2 = Hot / + Pin 3 = Cold / -
である。
長距離のラインレベル配線では、バランス接続によって外来ノイズの影響を抑えやすくなる。
USBオーディオインターフェース
MGX16Vは2系統のUSB Type-Cポートを備える。
- USB MAIN
- USB SUB
の2系統として動作する。[1]
USB MAIN
USB MAINは、
22 Inputs 22 Outputs 32-bit / 96 kHz
に対応する。[1]
コンピューターと接続することで、最大22トラックの録音および22トラックの再生を行える。
このためMGX16Vはライブミキサーとしての用途に加えて、マルチチャンネルUSBオーディオインターフェースとしても利用できる。
例えば、
Microphones / Instruments
↓
MGX16V
↓ USB MAIN
↓
DAW
というレコーディングシステムを構成できる。
USB SUB
USB SUBは、
2 Inputs 2 Outputs 16-bit / 48 kHz
に対応する。[1]
MAINとは別のUSBデバイスを接続できるため、PC、スマートフォン、タブレットなどを組み合わせた配信・制作環境を構成できる。
2系統のUSB接続を利用して、複数のコンピューターやデバイスを一つのミキシング環境へ統合することもできる。
HDMIインターフェース
MGX16Vは、
- HDMI IN
- HDMI THRU
を各1系統備える。[3]
HDMI INへ接続した映像と音声をMGX16Vへ入力できる。
例えば、
Video Camera
↓ HDMI
MGX16V
↓ USB MAIN
Computer
という構成で映像をPCへキャプチャーできる。
同時にHDMI THRUを使用すると、
Video Camera
↓
MGX16V
↓ HDMI THRU
Display
のように映像を外部モニターへリアルタイムで出力できる。
ヤマハはMGX16Vについて、HDMI入力信号の映像をUSB経由でPCへ取り込みながら、HDMI THRUへパススルーできる仕様を示している。[2]
HDMIオーディオ
HDMI入力に含まれる音声信号は、MGX16V内部へ取り込むことができる。
映像機器、ゲーム機、カメラなどのHDMIオーディオをミキサー内部の任意のチャンネルへ割り当て、他のマイクや音楽信号とミックスできる。[2]
またHDMI THRUから2チャンネルの音声を映像とともに出力することもできる。
この機能により、
Camera / Game Console
↓ HDMI
MGX16V
├→ Audio Mixing
├→ USB Video Capture
└→ HDMI THRU
という配信システムを1台で構成できる。
microSDカード録音
MGX16VはmicroSDカードスロットを備える。
microSDカードへ、
- 最大16トラック録音
- 2トラック再生
- 24-bit
- 最大96 kHz
のオーディオを扱うことができる。[1]
コンピューターを使用せず、本体のみでマルチトラック録音を行う用途にも利用できる。
例えばライブイベントでは、
Microphones
Instruments
Playback Sources
↓
MGX16V
↓
microSD Card
16-track Recording
という構成が可能となる。
Bluetooth
MGX16VはBluetooth 5.0によるBluetoothオーディオ入力を備える。
対応プロファイルはA2DPである。[3]
スマートフォンやタブレットから、
- BGM
- リファレンス音源
- ジングル
- 配信用音源
などをワイヤレスで入力できる。
内蔵DSP
MGX16Vは内部DSPによるミキシングおよび信号処理機能を備える。
主な処理には、
- Gate
- Compressor
- EQ
- Reverb
- Delay
- Amp Simulator
- Voice Changer
などが含まれる。[2]
各入力信号を本体内部で処理できるため、外部アウトボード機器を使用する構成と、MGX16V内部のDSPを中心とした構成の両方を作ることができる。
Auto Gain
MGX16VにはAuto Gain機能が搭載されている。
入力信号を測定し、適切な入力ゲインを自動的に設定するための補助機能である。[2]
多数の入力を短時間でセットアップするイベント、配信、会議などで、初期ゲイン設定の作業を効率化できる。
Clip Safe
Clip Safeは過大な入力信号を検出した際に自動的にゲインを下げ、クリッピングを回避するための補助機能である。[2]
ライブイベントや配信など入力レベルが変化しやすい環境で、突発的な過大入力に対する余裕を確保するために利用できる。
エフェクト
MGX16Vには複数の内蔵エフェクトが用意されている。
一般的なミキシング処理に加え、
- Reverb
- Delay
- Amp Simulator
- Voice Changer
など、音楽制作や配信向けのクリエイティブな処理も使用できる。[2]
内部には2つのFXバスを持つ。
2 FX Buses 2 FX Returns
という構成でエフェクトをミックスへ組み込むことができる。
Sound Pad
MGX16VはSound Pad機能を備える。
効果音や短いオーディオ素材をSound Padへ割り当て、配信やイベント中に呼び出すことができる。
例えば、
- ジングル
- 効果音
- 拍手
- 番組用SE
- 配信用サウンド
などを使用する用途に適する。
リップシンク調整
STREAMING OUTにはDelayを設定でき、映像と音声のタイミングを合わせるリップシンク調整に使用できる。[2]
映像処理によって映像側に遅延が生じる場合、
Audio ↓ Delay Video
のタイミングを調整し、視覚上の口の動きと音声を合わせることができる。
操作モード
MGXシリーズには、
- Standard Mode
- Simple Mode
の2つの操作モードが用意されている。[2]
Standard Mode
Standard ModeではMGX16Vの各種ミキシング、ルーティング、DSP機能を詳細に操作できる。
音響エンジニアや、システムを細かく設定する用途に適する。
Simple Mode
Simple Modeでは用途に応じて操作項目を整理したUIを使用できる。
会議、小規模イベント、配信などで、必要な機能へ短時間でアクセスする用途に利用できる。
ユーザーインターフェース
MGX16Vは4.3インチのタッチスクリーンを搭載する。[3]
操作部には、
- 4.3インチ Touch Screen
- 15 + 1構成の60 mmフェーダー
- 16 SENDノブ
- 4 Screen Knob
- 1 TOUCH AND TURN Encoder
が配置される。
デジタルミキサーとしての画面操作と、物理フェーダーおよびノブによる直接操作を組み合わせたインターフェースとなっている。
Scene Recall
MGX16VはScene Recall機能を備える。
ミキサー設定を保存し、用途やイベントに応じて呼び出すことができる。
例えば、
- Live Performance
- Streaming
- Conference
- Recording
- Rehearsal
など、異なる運用条件に応じたミキサー設定を保存して切り替えることができる。
ヘッドホン出力
MGX16Vは4系統のステレオTRSヘッドホン出力を備える。[3]
各出力は、
100 mW + 100 mW @ 40 Ω
の仕様を持つ。
複数の出演者、エンジニア、配信スタッフなどが同時にモニターする構成を作りやすい。
音響性能
MGX16Vの主な音響仕様は次の通りである。[3]
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Mic/Line AD Dynamic Range | 120 dB |
| Mic/Line AD THD+N | -112 dB |
| Stereo Out DA Dynamic Range | 130 dB |
| Stereo Out DA THD+N | -120 dB |
| Equivalent Input Noise | -128 dBu typ. |
| Residual Output Noise | -108 dBu |
| Crosstalk | -120 dB @ 1 kHz |
| Gain Range | 86 dB |
サンプリング周波数
MGX16Vは44.1 kHzから96 kHzまでのサンプリング周波数に対応する。[3]
USB MAINでは32-bit / 96 kHzまでのマルチチャンネルオーディオを扱える。
microSDカード録音では24-bit、最大96 kHzに対応する。
主な仕様
| 項目 | Yamaha MGX16V |
|---|---|
| 製品種別 | デジタルミキシングコンソール |
| ミキシング入力 | 8 Mono + 4 Stereo + 1 Sound Pad + 2 FX Return |
| バス | 8 MIX + 2 FX + 1 CUE + 1 STEREO |
| Mic / Line Input | 8 XLR/TRS Combo |
| Line Input | 4 TRS + 4 RCA |
| Analog Output | 2 XLR + 8 TRS |
| Headphones | 4 Stereo TRS |
| USB MAIN | 22 In / 22 Out、32-bit / 96 kHz |
| USB SUB | 2 In / 2 Out、16-bit / 48 kHz |
| microSD | 最大16トラック録音 / 2トラック再生 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.0 / A2DP |
| HDMI | 1 IN / 1 THRU |
| Display | 4.3インチ Touch Screen |
| Faders | 16 × 60 mm |
| 電源 | DC 16 V / 2.4 A |
| 消費電力 | 38.4 W |
| 幅 | 419 mm |
| 高さ | 96 mm |
| 奥行 | 319 mm |
| 質量 | 4.9 kg |
仕様値はヤマハ公式仕様およびユーザーガイドに基づく。[3][4]
MGX16との違い
Yamaha MGX16とMGX16Vは、基本的なミキシング構成、アナログ入出力、USBオーディオ機能などを共有する。
MGX16Vには、
- HDMI IN
- HDMI THRU
- HDMI-USB Audio / Video Capture
- HDMI Real-time Pass-through
が追加されている。[3]
そのため、音声のみを扱うPA・制作環境に加えて、映像を含むライブ配信やコンテンツ制作にも利用できる。
MGX12Vとの違い
Yamaha MGX12VもHDMIビデオインターフェースを備える。
MGX16VはMGX12Vより多くのアナログ入力および出力を備える。
| 項目 | MGX16V | MGX12V |
|---|---|---|
| Mic / Line Combo | 8 | 4 |
| TRS Line | 4 | 4 |
| RCA Line | 4 | 4 |
| XLR Output | 2 | 2 |
| TRS Output | 8 | 6 |
| USB MAIN | 22 In / 22 Out | 18 In / 18 Out |
| Physical Faders | 16 | 12 |
より多くの入力やモニター/出力系統を必要とするシステムではMGX16Vを利用できる。
PAシステムでの使用例
MGX16Vは外部クロスオーバーやパワーアンプと組み合わせることができる。
例えば、
Microphones / Instruments
↓
Yamaha MGX16V
↓ XLR L/R
[[dbx 234xs]]
↓ XLR
[[Crown XLi 3500]]
↓ speakON
Passive Speakers
というPAシステムを構成できる。
外部クロスオーバーとしてdbx 234XLやdbx 234xsを使用し、CrownなどのパワーアンプへLow / Mid / Highの各帯域を送ることもできる。
ケーブル選定
MGX16VのSTEREO OUTから外部クロスオーバーやパワーアンプへ接続する場合には、XLR Female-to-Maleのバランスケーブルを使用できる。
MGX16V XLR OUT
↓
Balanced XLR Cable
↓
Crossover / Power Amplifier
複数のMIXバスやOMNI OUTを使用する場合にはTRSバランスケーブルも使用できる。
多チャンネルPAでは、
- LEFT / RIGHT
- LOW / MID / HIGH
- MAIN / MONITOR
- MIX BUS
などに応じてケーブルを色分けまたはラベル管理すると、設置時および保守時の識別性を高めることができる。
発表と発売
ヤマハはMGXシリーズを2026年1月15日に発表した。[2]
日本国内ではMGX16Vを含むMGXシリーズを2026年2月から順次発売すると発表している。
MGXシリーズは、長年展開されてきたアナログMGシリーズの操作思想を基礎に、デジタルミキシング、USBオーディオ、録音、配信などの機能を統合したシリーズとして開発された。
脚注
外部リンク
- ヤマハ - MGX16V
- ヤマハ - MGX16V 仕様
- ヤマハ - MGX16V / MGX16 / MGX12V / MGX12 ユーザーガイド
- ヤマハ - MGX Series ダウンロード
- ヤマハ - MGXシリーズ ニュースリリース