モノブリッジケーブル: Difference between revisions
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'''Bridge-Monoケーブル'''(モノブリッジケーブル)とは、2チャンネルの[[パワーアンプ]]をBridge-Mono(ブリッジ・モノ)モードで使用するとき、アンプの出力を[[スピーカー]]へ適切に接続するためのスピーカーケーブルである。 | '''Bridge-Monoケーブル'''(モノブリッジケーブル)とは、2チャンネルの[[パワーアンプ]]をBridge-Mono(ブリッジ・モノ)モードで使用するとき、アンプの出力を[[スピーカー]]へ適切に接続するためのスピーカーケーブルである。 | ||
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「Bridge-Monoケーブル」に用いる線材は、通常のスピーカーケーブルと同様に、十分な導体断面積を持つケーブルを使用する。通常のスピーカーケーブルとの主な違いは、'''コネクタ内部のピンアサイン'''にある。 | 「Bridge-Monoケーブル」に用いる線材は、通常のスピーカーケーブルと同様に、十分な導体断面積を持つケーブルを使用する。通常のスピーカーケーブルとの主な違いは、'''コネクタ内部のピンアサイン'''にある。 | ||
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特に4極の[[speakON]]コネクタを使用する業務用パワーアンプでは、通常のStereo接続とBridge-Mono接続で使用する接点が異なる場合がある。 | 特に4極の[[speakON]]コネクタを使用する業務用パワーアンプでは、通常のStereo接続とBridge-Mono接続で使用する接点が異なる場合がある。 | ||
== Bridge-Monoとは == | == Bridge-Monoとは == <!--T:4--> | ||
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一般的な2チャンネル・パワーアンプには、Channel 1とChannel 2という2系統のパワーアンプが内蔵されている。 | 一般的な2チャンネル・パワーアンプには、Channel 1とChannel 2という2系統のパワーアンプが内蔵されている。 | ||
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通常のStereoモードでは、2つのチャンネルはそれぞれ独立してスピーカーを駆動する。 | 通常のStereoモードでは、2つのチャンネルはそれぞれ独立してスピーカーを駆動する。 | ||
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Channel 1 → Speaker 1 | Channel 1 → Speaker 1 | ||
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Bridge-Monoモードでは、この2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つのスピーカー負荷を駆動する。 | Bridge-Monoモードでは、この2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つのスピーカー負荷を駆動する。 | ||
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ブリッジ接続では一般に、2つのアンプ出力を互いに逆相で動作させ、その2つの出力間にスピーカーを接続する。 | ブリッジ接続では一般に、2つのアンプ出力を互いに逆相で動作させ、その2つの出力間にスピーカーを接続する。 | ||
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例えば、ある瞬間の出力電圧が次のようになっているとする。 | 例えば、ある瞬間の出力電圧が次のようになっているとする。 | ||
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Channel 1 = +20 V | Channel 1 = +20 V | ||
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このとき、スピーカーの両端に生じる電位差は40 Vとなる。 | このとき、スピーカーの両端に生じる電位差は40 Vとなる。 | ||
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+20 V - (-20 V) = 40 V | +20 V - (-20 V) = 40 V | ||
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このため、単一のアンプチャンネルだけでスピーカーを駆動する場合より、大きな電圧振幅を得ることができる。 | このため、単一のアンプチャンネルだけでスピーカーを駆動する場合より、大きな電圧振幅を得ることができる。 | ||
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Bridge-Monoは、2チャンネルのアンプを使用して1系統へ大きな出力を供給したい場合に利用される。PAシステムでは、[[サブウーファー]]の駆動などに用いられることがある。 | Bridge-Monoは、2チャンネルのアンプを使用して1系統へ大きな出力を供給したい場合に利用される。PAシステムでは、[[サブウーファー]]の駆動などに用いられることがある。 | ||
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ただし、実際の出力、最低負荷インピーダンス、使用可能な接続方法はアンプによって異なるため、メーカーの仕様を確認する必要がある。 | ただし、実際の出力、最低負荷インピーダンス、使用可能な接続方法はアンプによって異なるため、メーカーの仕様を確認する必要がある。 | ||
== speakONコネクタとBridge-Mono == | == speakONコネクタとBridge-Mono == <!--T:17--> | ||
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4極speakONコネクタでは、一般に次の4つの接点が存在する。 | 4極speakONコネクタでは、一般に次の4つの接点が存在する。 | ||
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1+ | 1+ | ||
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通常の2芯スピーカー接続では、1+と1-を使用する構成が一般的である。 | 通常の2芯スピーカー接続では、1+と1-を使用する構成が一般的である。 | ||
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Amplifier Speaker | Amplifier Speaker | ||
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1+ -----------------> 1+ | 1+ -----------------> 1+ | ||
1- -----------------> 1- | 1- -----------------> 1- | ||
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2+ 未使用 | 2+ 未使用 | ||
2- 未使用 | 2- 未使用 | ||
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一方、Bridge-Monoでは、アンプの2つのチャンネルの出力を利用するため、異なるピンを使用する場合がある。 | 一方、Bridge-Monoでは、アンプの2つのチャンネルの出力を利用するため、異なるピンを使用する場合がある。 | ||
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Neutrikが示しているspeakONの配線例では、Bridged Monoの例として、2芯ケーブルをNL4コネクタの1+および2+に接続する構成が示されている。<ref>[https://www.neutrik.com/media/10094/download/03%20Section%20speakON%20PG%20EN%20%20202202-V23.pdf Neutrik, speakON Wiring]</ref> | Neutrikが示しているspeakONの配線例では、Bridged Monoの例として、2芯ケーブルをNL4コネクタの1+および2+に接続する構成が示されている。<ref>[https://www.neutrik.com/media/10094/download/03%20Section%20speakON%20PG%20EN%20%20202202-V23.pdf Neutrik, speakON Wiring]</ref> | ||
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つまり、通常の1+/1-配線とは異なる。 | つまり、通常の1+/1-配線とは異なる。 | ||
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通常のPA用ケーブル | 通常のPA用ケーブル | ||
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1+ -----------------> 1+ | 1+ -----------------> 1+ | ||
1- -----------------> 1- | 1- -----------------> 1- | ||
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Bridge-Monoの一例 | Bridge-Monoの一例 | ||
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1+ -----------------> 1+ | 1+ -----------------> 1+ | ||
2+ -----------------> 2+ | 2+ -----------------> 2+ | ||
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ただし、これはすべてのアンプとスピーカーに共通する絶対的な規格ではない。 | ただし、これはすべてのアンプとスピーカーに共通する絶対的な規格ではない。 | ||
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speakONの具体的な配線は、アンプおよびスピーカーの設計によって異なる。 | speakONの具体的な配線は、アンプおよびスピーカーの設計によって異なる。 | ||
== Bridge-Mono用変換ケーブル == | == Bridge-Mono用変換ケーブル == <!--T:33--> | ||
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実際のPAシステムでは、アンプ側ではBridge-Mono出力として1+と2+を使用しながら、スピーカー側では通常の1+と1-を使用する場合がある。 | 実際のPAシステムでは、アンプ側ではBridge-Mono出力として1+と2+を使用しながら、スピーカー側では通常の1+と1-を使用する場合がある。 | ||
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この場合には、両端で異なるピンアサインを持つケーブルを使用できる。 | この場合には、両端で異なるピンアサインを持つケーブルを使用できる。 | ||
<!--T:36--> | |||
例えば次のような配線である。 | 例えば次のような配線である。 | ||
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<pre> | <pre> | ||
AMPLIFIER END SPEAKER END | AMPLIFIER END SPEAKER END | ||
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1+ -----------------> 1+ | 1+ -----------------> 1+ | ||
2+ -----------------> 1- | 2+ -----------------> 1- | ||
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この種類のケーブルは、通常のストレート配線speakONケーブルとは異なる。 | この種類のケーブルは、通常のストレート配線speakONケーブルとは異なる。 | ||
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市販品の例として、CablesOnlineはCrown XLiシリーズなどのBridge-Mono用途向けに、次の配線を持つケーブルを販売している。<ref>[https://www.cablesonline.com/20monesp4mat.html CablesOnline, Mono-Bridged Neutrik Speakon Cable]</ref> | 市販品の例として、CablesOnlineはCrown XLiシリーズなどのBridge-Mono用途向けに、次の配線を持つケーブルを販売している。<ref>[https://www.cablesonline.com/20monesp4mat.html CablesOnline, Mono-Bridged Neutrik Speakon Cable]</ref> | ||
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<pre> | <pre> | ||
Amplifier 1+ → Speaker 1+ | Amplifier 1+ → Speaker 1+ | ||
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</pre> | </pre> | ||
<!--T:42--> | |||
この場合、アンプ側とスピーカー側でピンアサインが異なるため、ケーブルには実質的な'''方向性'''が存在する。 | この場合、アンプ側とスピーカー側でピンアサインが異なるため、ケーブルには実質的な'''方向性'''が存在する。 | ||
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したがって、 | したがって、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
AMPLIFIER | AMPLIFIER | ||
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などの表示によって、両端を区別することが望ましい。 | などの表示によって、両端を区別することが望ましい。 | ||
== 通常のspeakONケーブルとの違い == | == 通常のspeakONケーブルとの違い == <!--T:46--> | ||
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Bridge-Monoケーブルと通常のspeakONスピーカーケーブルは、外観だけでは区別できない場合がある。 | Bridge-Monoケーブルと通常のspeakONスピーカーケーブルは、外観だけでは区別できない場合がある。 | ||
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両方に同じNL4コネクタが使用され、同じ2芯スピーカーケーブルが使用されていても、内部のピンアサインが異なれば電気的には異なるケーブルである。 | 両方に同じNL4コネクタが使用され、同じ2芯スピーカーケーブルが使用されていても、内部のピンアサインが異なれば電気的には異なるケーブルである。 | ||
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例えば、通常の2芯PAケーブルが次のように配線されているとする。 | 例えば、通常の2芯PAケーブルが次のように配線されているとする。 | ||
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<pre> | <pre> | ||
1+ → 1+ | 1+ → 1+ | ||
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Bridge-Mono用の変換ケーブルが次のように配線されている場合、 | Bridge-Mono用の変換ケーブルが次のように配線されている場合、 | ||
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1+ → 1+ | 1+ → 1+ | ||
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両者は外観がほぼ同じでも互換ではない。 | 両者は外観がほぼ同じでも互換ではない。 | ||
<!--T:54--> | |||
したがって、Bridge-Mono接続では「speakONコネクタが付いている」というだけでケーブルを選定してはならない。 | したがって、Bridge-Mono接続では「speakONコネクタが付いている」というだけでケーブルを選定してはならない。 | ||
== 4極speakONと4芯ケーブルは同じではない == | == 4極speakONと4芯ケーブルは同じではない == <!--T:55--> | ||
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NL4などの4極speakONコネクタを使用する場合でも、必ず4芯ケーブルが必要になるわけではない。 | NL4などの4極speakONコネクタを使用する場合でも、必ず4芯ケーブルが必要になるわけではない。 | ||
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NL4には、 | NL4には、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
1+ | 1+ | ||
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という4つの接点が存在するが、実際に使用する接点が2つだけであれば、2芯ケーブルで配線できる。 | という4つの接点が存在するが、実際に使用する接点が2つだけであれば、2芯ケーブルで配線できる。 | ||
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例えばBridge-Mono用ケーブルで、 | 例えばBridge-Mono用ケーブルで、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
1+ | 1+ | ||
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<!--T:62--> | |||
だけを使用するのであれば、必要な導体は2本である。 | だけを使用するのであれば、必要な導体は2本である。 | ||
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したがって、 | したがって、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
NL4コネクタ = 4芯ケーブル | NL4コネクタ = 4芯ケーブル | ||
</pre> | </pre> | ||
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ではない。 | ではない。 | ||
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4極コネクタに2芯ケーブルを接続する構成は、PAシステムでも使用される。 | 4極コネクタに2芯ケーブルを接続する構成は、PAシステムでも使用される。 | ||
== Bridge-MonoとBi-Ampの違い == | == Bridge-MonoとBi-Ampの違い == <!--T:67--> | ||
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Bridge-Monoと[[Bi-Amp]]は、どちらもNL4の複数の接点を使用する場合があるが、動作原理は異なる。 | Bridge-Monoと[[Bi-Amp]]は、どちらもNL4の複数の接点を使用する場合があるが、動作原理は異なる。 | ||
<!--T:69--> | |||
Bi-Ampでは、例えば次のように2つの独立した周波数帯域の信号を1本の4芯ケーブルで伝送する。 | Bi-Ampでは、例えば次のように2つの独立した周波数帯域の信号を1本の4芯ケーブルで伝送する。 | ||
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<pre> | <pre> | ||
1+ / 1- = Low Frequency | 1+ / 1- = Low Frequency | ||
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この場合、低域用アンプと高域用アンプは、それぞれ異なるスピーカードライバーを駆動する。 | この場合、低域用アンプと高域用アンプは、それぞれ異なるスピーカードライバーを駆動する。 | ||
<!--T:72--> | |||
一方、Bridge-Monoでは2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つの負荷を駆動する。 | 一方、Bridge-Monoでは2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つの負荷を駆動する。 | ||
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<pre> | <pre> | ||
Amplifier Channel 1 | Amplifier Channel 1 | ||
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</pre> | </pre> | ||
<!--T:74--> | |||
NeutrikのspeakON配線資料でも、Standard PA、Bridged Mono、Bi-Ampは異なる配線方式として区別されている。<ref>[https://www.neutrik.com/media/10094/download/03%20Section%20speakON%20PG%20EN%20%20202202-V23.pdf Neutrik, speakON Wiring]</ref> | NeutrikのspeakON配線資料でも、Standard PA、Bridged Mono、Bi-Ampは異なる配線方式として区別されている。<ref>[https://www.neutrik.com/media/10094/download/03%20Section%20speakON%20PG%20EN%20%20202202-V23.pdf Neutrik, speakON Wiring]</ref> | ||
== インピーダンスとBridge-Mono == | == インピーダンスとBridge-Mono == <!--T:75--> | ||
<!--T:76--> | |||
Bridge-Monoでは、スピーカーに加えられる電圧を大きくできる一方、各アンプチャンネルから見た電気的負荷も大きくなる。 | Bridge-Monoでは、スピーカーに加えられる電圧を大きくできる一方、各アンプチャンネルから見た電気的負荷も大きくなる。 | ||
<!--T:77--> | |||
理想化して考えると、Bridge-Monoで8 Ωのスピーカーを駆動した場合、それぞれのアンプチャンネルからは約4 Ω相当の負荷を駆動している状態になる。 | 理想化して考えると、Bridge-Monoで8 Ωのスピーカーを駆動した場合、それぞれのアンプチャンネルからは約4 Ω相当の負荷を駆動している状態になる。 | ||
<!--T:78--> | |||
そのため、 | そのため、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
Stereoモードで4 Ω負荷に対応 | Stereoモードで4 Ω負荷に対応 | ||
</pre> | </pre> | ||
<!--T:80--> | |||
しているアンプであっても、 | しているアンプであっても、 | ||
<!--T:81--> | |||
<pre> | <pre> | ||
Bridge-Monoでも4 Ω負荷を使用できる | Bridge-Monoでも4 Ω負荷を使用できる | ||
</pre> | </pre> | ||
<!--T:82--> | |||
とは限らない。 | とは限らない。 | ||
<!--T:83--> | |||
Bridge-Monoで使用可能な最低インピーダンスは、必ずアンプメーカーの仕様を確認する必要がある。 | Bridge-Monoで使用可能な最低インピーダンスは、必ずアンプメーカーの仕様を確認する必要がある。 | ||
<!--T:84--> | |||
また、スピーカーを並列接続するとシステム全体の負荷インピーダンスが低下するため、Bridge-Mono運用では特に注意が必要である。 | また、スピーカーを並列接続するとシステム全体の負荷インピーダンスが低下するため、Bridge-Mono運用では特に注意が必要である。 | ||
== Crown XLiシリーズの例 == | == Crown XLiシリーズの例 == <!--T:85--> | ||
<!--T:86--> | |||
Crown XLiシリーズは、Stereo、Parallel、Bridge-Monoの各動作モードに対応している。XLRおよびRCA入力と、speakONおよびバインディングポストによるスピーカー出力を備える。<ref>[https://www.crownaudio.com/en-US/products/xli-3500 Crown Audio, XLi 3500]</ref> | Crown XLiシリーズは、Stereo、Parallel、Bridge-Monoの各動作モードに対応している。XLRおよびRCA入力と、speakONおよびバインディングポストによるスピーカー出力を備える。<ref>[https://www.crownaudio.com/en-US/products/xli-3500 Crown Audio, XLi 3500]</ref> | ||
<!--T:87--> | |||
メーカーのXLiシリーズ・オペレーションマニュアルでは、Bridge-Mono使用時に背面のOutput Mode SwitchをBRIDGEへ設定し、指定された方法でスピーカーを接続するよう示されている。 | メーカーのXLiシリーズ・オペレーションマニュアルでは、Bridge-Mono使用時に背面のOutput Mode SwitchをBRIDGEへ設定し、指定された方法でスピーカーを接続するよう示されている。 | ||
<!--T:88--> | |||
また、Bridge-MonoモードではChannel 1のGain Controlのみが動作する。<ref>[https://www.crownaudio.com/en-US/site_elements/xli-owner-s-manual Crown Audio, XLi Series Power Amplifiers Operation Manual]</ref> | また、Bridge-MonoモードではChannel 1のGain Controlのみが動作する。<ref>[https://www.crownaudio.com/en-US/site_elements/xli-owner-s-manual Crown Audio, XLi Series Power Amplifiers Operation Manual]</ref> | ||
<!--T:89--> | |||
したがって、Crown XLiシリーズでBridge-Monoを使用する場合も、「通常のNL4-NL4ケーブルなら使用できる」と判断するのではなく、メーカー指定のピンアサインを確認する必要がある。 | したがって、Crown XLiシリーズでBridge-Monoを使用する場合も、「通常のNL4-NL4ケーブルなら使用できる」と判断するのではなく、メーカー指定のピンアサインを確認する必要がある。 | ||
== Bridge-Monoケーブルに方向性が生じる場合 == | == Bridge-Monoケーブルに方向性が生じる場合 == <!--T:90--> | ||
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通常のストレート配線スピーカーケーブルは、 | 通常のストレート配線スピーカーケーブルは、 | ||
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<pre> | <pre> | ||
1+ → 1+ | 1+ → 1+ | ||
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</pre> | </pre> | ||
<!--T:93--> | |||
のように両端が対称であるため、通常はケーブルの向きを意識する必要がない。 | のように両端が対称であるため、通常はケーブルの向きを意識する必要がない。 | ||
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しかし、 | しかし、 | ||
<!--T:95--> | |||
<pre> | <pre> | ||
Amplifier side Speaker side | Amplifier side Speaker side | ||
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1+ ----------------> 1+ | 1+ ----------------> 1+ | ||
2+ ----------------> 1- | 2+ ----------------> 1- | ||
</pre> | </pre> | ||
<!--T:97--> | |||
というBridge-Mono用変換配線では、両端のピンアサインが異なる。 | というBridge-Mono用変換配線では、両端のピンアサインが異なる。 | ||
<!--T:98--> | |||
この場合には、ケーブルの向きを逆にすると意図した電気的接続にならない。 | この場合には、ケーブルの向きを逆にすると意図した電気的接続にならない。 | ||
<!--T:99--> | |||
したがって、このようなBridge-Monoケーブルには、 | したがって、このようなBridge-Monoケーブルには、 | ||
<!--T:100--> | |||
<pre> | <pre> | ||
AMP END | AMP END | ||
| Line 272: | Line 363: | ||
</pre> | </pre> | ||
<!--T:101--> | |||
などのラベルを表示することが重要である。 | などのラベルを表示することが重要である。 | ||
== Bridge-Monoケーブルを選定するときの確認事項 == | == Bridge-Monoケーブルを選定するときの確認事項 == <!--T:102--> | ||
<!--T:103--> | |||
Bridge-Monoケーブルを選定または製作するときには、少なくとも次の項目を確認する必要がある。 | Bridge-Monoケーブルを選定または製作するときには、少なくとも次の項目を確認する必要がある。 | ||
<!--T:104--> | |||
* パワーアンプがBridge-Mono動作に対応しているか | * パワーアンプがBridge-Mono動作に対応しているか | ||
* Bridge-Mono時に使用する出力端子 | * Bridge-Mono時に使用する出力端子 | ||
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* ケーブル両端のピンアサインが同一か、異なるか | * ケーブル両端のピンアサインが同一か、異なるか | ||
<!--T:105--> | |||
Neutrikも、speakONの具体的な配線はアンプおよびラウドスピーカーシステムによって決まるとしている。<ref>[https://www.neutrik.com/en/neutrik/faq/speakon Neutrik, speakON FAQ]</ref> | Neutrikも、speakONの具体的な配線はアンプおよびラウドスピーカーシステムによって決まるとしている。<ref>[https://www.neutrik.com/en/neutrik/faq/speakon Neutrik, speakON FAQ]</ref> | ||
== まとめ == | == まとめ == <!--T:106--> | ||
<!--T:107--> | |||
Bridge-Monoケーブルとは、特殊な音響特性を持つケーブルや、特定の線材の名称ではない。 | Bridge-Monoケーブルとは、特殊な音響特性を持つケーブルや、特定の線材の名称ではない。 | ||
<!--T:108--> | |||
本質的には、 | 本質的には、 | ||
<!--T:109--> | |||
<blockquote> | <blockquote> | ||
パワーアンプのBridge-Mono出力をスピーカーへ正しく接続するため、使用するアンプとスピーカーに適合するピンアサインで構成されたスピーカーケーブル | パワーアンプのBridge-Mono出力をスピーカーへ正しく接続するため、使用するアンプとスピーカーに適合するピンアサインで構成されたスピーカーケーブル | ||
</blockquote> | </blockquote> | ||
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である。 | である。 | ||
<!--T:111--> | |||
通常のspeakONケーブルとの重要な違いは、コネクタの外観ではなく'''内部配線'''にある。 | 通常のspeakONケーブルとの重要な違いは、コネクタの外観ではなく'''内部配線'''にある。 | ||
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通常のPA用speakONケーブルでは1+/1-を使用することが多いが、Bridge-Monoでは1+/2+など別の接点を使用する場合がある。また、アンプ側の1+/2+をスピーカー側の1+/1-へ変換する方向性を持ったケーブルも存在する。 | 通常のPA用speakONケーブルでは1+/1-を使用することが多いが、Bridge-Monoでは1+/2+など別の接点を使用する場合がある。また、アンプ側の1+/2+をスピーカー側の1+/1-へ変換する方向性を持ったケーブルも存在する。 | ||
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したがって、 | したがって、 | ||
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NL4だから使用できる | NL4だから使用できる | ||
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という判断は適切ではない。 | という判断は適切ではない。 | ||
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Bridge-Mono接続では、アンプ側のBridge-Mono出力仕様、ケーブルのピンアサイン、スピーカー側の入力ピンアサインという3つを対応させて確認する必要がある。 | Bridge-Mono接続では、アンプ側のBridge-Mono出力仕様、ケーブルのピンアサイン、スピーカー側の入力ピンアサインという3つを対応させて確認する必要がある。 | ||
== 脚注 == | == 脚注 == <!--T:117--> | ||
<!--T:118--> | |||
<references /> | <references /> | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == <!--T:119--> | ||
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* [[パワーアンプ]] | * [[パワーアンプ]] | ||
* [[スピーカーケーブル]] | * [[スピーカーケーブル]] | ||
| Line 331: | Line 438: | ||
* [[サブウーファー]] | * [[サブウーファー]] | ||
<!--T:121--> | |||
[[Category:ケーブル]] | [[Category:ケーブル]] | ||
[[Category:PA]] | [[Category:PA]] | ||
[[Category:音響機器]] | [[Category:音響機器]] | ||
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Revision as of 23:02, 23 September 2026
Bridge-Monoケーブル(モノブリッジケーブル)とは、2チャンネルのパワーアンプをBridge-Mono(ブリッジ・モノ)モードで使用するとき、アンプの出力をスピーカーへ適切に接続するためのスピーカーケーブルである。
「Bridge-Monoケーブル」に用いる線材は、通常のスピーカーケーブルと同様に、十分な導体断面積を持つケーブルを使用する。通常のスピーカーケーブルとの主な違いは、コネクタ内部のピンアサインにある。
特に4極のspeakONコネクタを使用する業務用パワーアンプでは、通常のStereo接続とBridge-Mono接続で使用する接点が異なる場合がある。
Bridge-Monoとは
一般的な2チャンネル・パワーアンプには、Channel 1とChannel 2という2系統のパワーアンプが内蔵されている。
通常のStereoモードでは、2つのチャンネルはそれぞれ独立してスピーカーを駆動する。
Channel 1 → Speaker 1 Channel 2 → Speaker 2
Bridge-Monoモードでは、この2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つのスピーカー負荷を駆動する。
ブリッジ接続では一般に、2つのアンプ出力を互いに逆相で動作させ、その2つの出力間にスピーカーを接続する。
例えば、ある瞬間の出力電圧が次のようになっているとする。
Channel 1 = +20 V Channel 2 = -20 V
このとき、スピーカーの両端に生じる電位差は40 Vとなる。
+20 V - (-20 V) = 40 V
このため、単一のアンプチャンネルだけでスピーカーを駆動する場合より、大きな電圧振幅を得ることができる。
Bridge-Monoは、2チャンネルのアンプを使用して1系統へ大きな出力を供給したい場合に利用される。PAシステムでは、サブウーファーの駆動などに用いられることがある。
ただし、実際の出力、最低負荷インピーダンス、使用可能な接続方法はアンプによって異なるため、メーカーの仕様を確認する必要がある。
speakONコネクタとBridge-Mono
4極speakONコネクタでは、一般に次の4つの接点が存在する。
1+ 1- 2+ 2-
通常の2芯スピーカー接続では、1+と1-を使用する構成が一般的である。
Amplifier Speaker 1+ -----------------> 1+ 1- -----------------> 1- 2+ 未使用 2- 未使用
一方、Bridge-Monoでは、アンプの2つのチャンネルの出力を利用するため、異なるピンを使用する場合がある。
Neutrikが示しているspeakONの配線例では、Bridged Monoの例として、2芯ケーブルをNL4コネクタの1+および2+に接続する構成が示されている。[1]
つまり、通常の1+/1-配線とは異なる。
通常のPA用ケーブル 1+ -----------------> 1+ 1- -----------------> 1-
Bridge-Monoの一例 1+ -----------------> 1+ 2+ -----------------> 2+
ただし、これはすべてのアンプとスピーカーに共通する絶対的な規格ではない。
speakONの具体的な配線は、アンプおよびスピーカーの設計によって異なる。
Bridge-Mono用変換ケーブル
実際のPAシステムでは、アンプ側ではBridge-Mono出力として1+と2+を使用しながら、スピーカー側では通常の1+と1-を使用する場合がある。
この場合には、両端で異なるピンアサインを持つケーブルを使用できる。
例えば次のような配線である。
AMPLIFIER END SPEAKER END 1+ -----------------> 1+ 2+ -----------------> 1-
この種類のケーブルは、通常のストレート配線speakONケーブルとは異なる。
市販品の例として、CablesOnlineはCrown XLiシリーズなどのBridge-Mono用途向けに、次の配線を持つケーブルを販売している。[2]
Amplifier 1+ → Speaker 1+ Amplifier 2+ → Speaker 1-
この場合、アンプ側とスピーカー側でピンアサインが異なるため、ケーブルには実質的な方向性が存在する。
したがって、
AMPLIFIER SPEAKER
などの表示によって、両端を区別することが望ましい。
通常のspeakONケーブルとの違い
Bridge-Monoケーブルと通常のspeakONスピーカーケーブルは、外観だけでは区別できない場合がある。
両方に同じNL4コネクタが使用され、同じ2芯スピーカーケーブルが使用されていても、内部のピンアサインが異なれば電気的には異なるケーブルである。
例えば、通常の2芯PAケーブルが次のように配線されているとする。
1+ → 1+ 1- → 1-
Bridge-Mono用の変換ケーブルが次のように配線されている場合、
1+ → 1+ 2+ → 1-
両者は外観がほぼ同じでも互換ではない。
したがって、Bridge-Mono接続では「speakONコネクタが付いている」というだけでケーブルを選定してはならない。
4極speakONと4芯ケーブルは同じではない
NL4などの4極speakONコネクタを使用する場合でも、必ず4芯ケーブルが必要になるわけではない。
NL4には、
1+ 1- 2+ 2-
という4つの接点が存在するが、実際に使用する接点が2つだけであれば、2芯ケーブルで配線できる。
例えばBridge-Mono用ケーブルで、
1+ 2+
だけを使用するのであれば、必要な導体は2本である。
したがって、
NL4コネクタ = 4芯ケーブル
ではない。
4極コネクタに2芯ケーブルを接続する構成は、PAシステムでも使用される。
Bridge-MonoとBi-Ampの違い
Bridge-MonoとBi-Ampは、どちらもNL4の複数の接点を使用する場合があるが、動作原理は異なる。
Bi-Ampでは、例えば次のように2つの独立した周波数帯域の信号を1本の4芯ケーブルで伝送する。
1+ / 1- = Low Frequency 2+ / 2- = High Frequency
この場合、低域用アンプと高域用アンプは、それぞれ異なるスピーカードライバーを駆動する。
一方、Bridge-Monoでは2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つの負荷を駆動する。
Amplifier Channel 1
|
+---- Speaker ----+
|
Amplifier Channel 2 ------+
NeutrikのspeakON配線資料でも、Standard PA、Bridged Mono、Bi-Ampは異なる配線方式として区別されている。[3]
インピーダンスとBridge-Mono
Bridge-Monoでは、スピーカーに加えられる電圧を大きくできる一方、各アンプチャンネルから見た電気的負荷も大きくなる。
理想化して考えると、Bridge-Monoで8 Ωのスピーカーを駆動した場合、それぞれのアンプチャンネルからは約4 Ω相当の負荷を駆動している状態になる。
そのため、
Stereoモードで4 Ω負荷に対応
しているアンプであっても、
Bridge-Monoでも4 Ω負荷を使用できる
とは限らない。
Bridge-Monoで使用可能な最低インピーダンスは、必ずアンプメーカーの仕様を確認する必要がある。
また、スピーカーを並列接続するとシステム全体の負荷インピーダンスが低下するため、Bridge-Mono運用では特に注意が必要である。
Crown XLiシリーズの例
Crown XLiシリーズは、Stereo、Parallel、Bridge-Monoの各動作モードに対応している。XLRおよびRCA入力と、speakONおよびバインディングポストによるスピーカー出力を備える。[4]
メーカーのXLiシリーズ・オペレーションマニュアルでは、Bridge-Mono使用時に背面のOutput Mode SwitchをBRIDGEへ設定し、指定された方法でスピーカーを接続するよう示されている。
また、Bridge-MonoモードではChannel 1のGain Controlのみが動作する。[5]
したがって、Crown XLiシリーズでBridge-Monoを使用する場合も、「通常のNL4-NL4ケーブルなら使用できる」と判断するのではなく、メーカー指定のピンアサインを確認する必要がある。
Bridge-Monoケーブルに方向性が生じる場合
通常のストレート配線スピーカーケーブルは、
1+ → 1+ 1- → 1-
のように両端が対称であるため、通常はケーブルの向きを意識する必要がない。
しかし、
Amplifier side Speaker side 1+ ----------------> 1+ 2+ ----------------> 1-
というBridge-Mono用変換配線では、両端のピンアサインが異なる。
この場合には、ケーブルの向きを逆にすると意図した電気的接続にならない。
したがって、このようなBridge-Monoケーブルには、
AMP END SPEAKER END
などのラベルを表示することが重要である。
Bridge-Monoケーブルを選定するときの確認事項
Bridge-Monoケーブルを選定または製作するときには、少なくとも次の項目を確認する必要がある。
- パワーアンプがBridge-Mono動作に対応しているか
- Bridge-Mono時に使用する出力端子
- アンプ側speakON端子のピンアサイン
- スピーカー側speakON端子のピンアサイン
- スピーカーの公称インピーダンス
- Bridge-Mono時のアンプの最低負荷インピーダンス
- Bridge-Mono時のアンプ出力
- スピーカーの許容入力
- 必要なケーブル導体断面積
- ケーブル両端のピンアサインが同一か、異なるか
Neutrikも、speakONの具体的な配線はアンプおよびラウドスピーカーシステムによって決まるとしている。[6]
まとめ
Bridge-Monoケーブルとは、特殊な音響特性を持つケーブルや、特定の線材の名称ではない。
本質的には、
パワーアンプのBridge-Mono出力をスピーカーへ正しく接続するため、使用するアンプとスピーカーに適合するピンアサインで構成されたスピーカーケーブル
である。
通常のspeakONケーブルとの重要な違いは、コネクタの外観ではなく内部配線にある。
通常のPA用speakONケーブルでは1+/1-を使用することが多いが、Bridge-Monoでは1+/2+など別の接点を使用する場合がある。また、アンプ側の1+/2+をスピーカー側の1+/1-へ変換する方向性を持ったケーブルも存在する。
したがって、
NL4だから使用できる speakONだから互換性がある
という判断は適切ではない。
Bridge-Mono接続では、アンプ側のBridge-Mono出力仕様、ケーブルのピンアサイン、スピーカー側の入力ピンアサインという3つを対応させて確認する必要がある。