Crown XLi 3500

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Crown XLi 3500(クラウン XLi 3500)は、Crown Audioが展開するXLiシリーズの2チャンネルパワーアンプである。

4 Ω負荷で1チャンネルあたり1350 W、8 Ω負荷で1チャンネルあたり1000 W、8 ΩのBridge-Mono動作で2700 Wの定格出力を持つ。Stereo、Parallel、Bridge-Monoの3種類の動作モードに対応し、PAシステム、ライブサウンド、DJシステム、設備音響などで使用される。[1]

概要

XLi 3500は、Crown AudioのXLiシリーズに属する2チャンネル・パワーアンプである。

XLiシリーズには、

  • XLi 800
  • XLi 1500
  • XLi 2500
  • XLi 3500

が用意されており、基本的な機能構成を共有しながら、主に出力能力が異なる。[1]

XLi 3500はシリーズ中で大きな出力を持つモデルで、パッシブPAスピーカーやサブウーファーなどの駆動に使用できる。

入力にはバランスXLRおよびRCAを備え、スピーカー出力にはspeakONおよびバインディングポストを備える。

定格出力

XLi 3500の主な出力仕様は次の通りである。[2]

動作条件 定格出力
Stereo / 8 Ω 1000 W × 2
Stereo / 4 Ω 1350 W × 2
Bridge-Mono / 8 Ω 2700 W × 1

Bridge-Monoでは2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つのスピーカー負荷を駆動する。

この動作方式についてはブリッジモノモードを参照。

動作モード

XLi 3500は、Stereo、Parallel、Bridge-Monoの3種類の動作モードに対応する。[3]

Stereo

Stereoモードでは、Channel 1とChannel 2を独立した2系統のパワーアンプとして使用する。

Input 1 → Amplifier CH1 → Speaker 1
Input 2 → Amplifier CH2 → Speaker 2

左右のPAスピーカーをそれぞれ1台ずつ駆動する場合などに使用できる。

Parallel

Parallelモードでは、Channel 1へ入力された信号を両方のアンプチャンネルへ送り、2系統の出力として使用する。

             ┌→ Amplifier CH1 → Speaker 1
Input 1 ─────┤
             └→ Amplifier CH2 → Speaker 2

同一のモノラル信号を2つのスピーカー系統へ送る用途などに利用できる。

Bridge-Mono

Bridge-Monoモードでは、2つのアンプチャンネルを組み合わせて1つのスピーカー負荷を駆動する。

Amplifier CH1 ──┐
                ├── Speaker
Amplifier CH2 ──┘

XLi 3500では、8 Ω負荷に対して2700 Wの定格出力が示されている。[2]

Bridge-Monoでは通常のStereo接続とスピーカー出力の配線方法が変化するため、Crownが指定する接続方法を使用する。

詳細はブリッジモノモードおよびモノブリッジケーブルを参照。

入力

XLi 3500は各チャンネルにXLRおよびRCA入力を備える。[1]

XLR

XLR入力は、業務用音響機器で広く使用されるバランス接続に対応する。

ミキサー、クロスオーバー、スピーカープロセッサーなどからXLi 3500へラインレベル信号を送る場合、XLRケーブルを使用できる。

一般的な配線は、

Pin 1 = Ground / Shield
Pin 2 = Hot / +
Pin 3 = Cold / -

となる。

RCA

RCA入力を使用すると、アンバランスのラインレベル機器も接続できる。

家庭用オーディオ機器、DJ機器、その他RCAライン出力を持つ機器との接続に利用できる。

入力感度

入力感度は、

  • 0.775 V
  • 1.4 V

から選択できる。[1]

入力感度設定は、アンプが定格出力へ到達するために必要な入力信号レベルに関係する。

公称入力インピーダンスは、

  • Balanced: 20 kΩ
  • Unbalanced: 10 kΩ

である。[1]

スピーカー出力

XLi 3500は、

  • speakON
  • バインディングポスト

によるスピーカー出力を備える。[1]

speakON

speakONは、PA用パワーアンプとパッシブスピーカーの接続で広く使用されるロック式スピーカーコネクタである。

通常のStereo接続では、一般に1つのアンプチャンネルからスピーカーへ、

1+ → Speaker +
1- → Speaker -

のような接続を行う。

Bridge-Mono動作では使用する出力接点が変わるため、アンプ側のピンアサインを確認してケーブルを配線する。

バインディングポスト

バインディングポスト出力も備えており、用途に応じてスピーカーケーブルを接続できる。

Bridge-Mono使用時の端子構成についてもCrownのオペレーションマニュアルに接続方法が示されている。[3]

Bridge-MonoとspeakONケーブル

XLi 3500をBridge-Monoで使用する場合、専用のspeakON配線を使用できる。

例えば、アンプ側のBridge-Mono出力を、

1+
2+

から取り出し、通常の1+/1-入力を使用するパッシブスピーカーへ接続する場合には、

AMPLIFIER END          SPEAKER END

1+  -----------------> 1+
2+  -----------------> 1-

という配線を持つモノブリッジケーブルを構成できる。

この場合、アンプ側とスピーカー側でピンアサインが異なるため、両端を明確に識別できる構造やラベルを使用すると、設置時の確認が容易になる。

実際に使用するピンアサインは、アンプおよびスピーカー双方の仕様を確認して決定する。

冷却

XLi 3500は強制空冷方式を採用する。

温度上昇を抑えるためファンを使用し、PAシステムなど継続的に高い出力が要求される用途での運用を想定している。[1]

ラックへ設置する際には、前後の通気経路を確保することが重要となる。

保護機能

CrownはXLiシリーズについて、次の状態に対する保護機能を挙げている。[1]

  • 出力短絡
  • 無負荷状態
  • 電源ON/OFF時の過渡現象
  • RF干渉
  • 過熱などに関連する保護

フロントパネルには各チャンネルについて、

  • Signal
  • Clip
  • Fault

の状態を示すLEDインジケーターが配置されている。

主な仕様

項目 Crown XLi 3500
アンプチャンネル数 2
8 Ω Stereo 1000 W × 2
4 Ω Stereo 1350 W × 2
8 Ω Bridge-Mono 2700 W × 1
周波数特性 20 Hz – 20 kHz, +0 / -1 dB(1 W)
THD < 0.5%(20 Hz – 20 kHz)
Voltage Gain 36 dB
Damping Factor >200(8 Ω、10 Hz – 400 Hz)
S/N比 >100 dB(A-weighted)
入力感度 0.775 V / 1.4 V
バランス入力インピーダンス 20 kΩ
アンバランス入力インピーダンス 10 kΩ
入力 XLR、RCA
スピーカー出力 speakON、バインディングポスト
動作モード Stereo / Parallel / Bridge-Mono
高さ 3.5 in / 8.9 cm(2U)
幅 19 in / 48.3 cm
奥行 14.4 in / 36.6 cm
重量 43 lb / 19.5 kg

仕様値はCrown公式製品情報およびB&Hの製品仕様に基づく。[1][2]

PAシステムでの使用例

XLi 3500は、ミキサーやクロスオーバーからラインレベル信号を受け取り、パッシブスピーカーを駆動する構成に使用できる。

例えば、

Mixer
  ↓
Crossover / Speaker Processor
  ↓
Crown XLi 3500
  ↓
Passive Speaker

という信号経路を構成できる。

Stereoモードでは2系統のスピーカーを駆動できる。

Bridge-Monoモードでは2チャンネルを1つの負荷へ使用し、8 Ω負荷に最大2700 Wの定格出力を供給する構成となる。

スピーカーの公称インピーダンス、許容入力、ケーブル長、アンプの動作モードを確認した上でシステムを構成する。

ケーブル選定

XLi 3500へのラインレベル入力には、XLRバランスケーブルを使用できる。

アンプからパッシブスピーカーへの接続には、アンプ出力とスピーカー入力に適合した十分な導体断面積を持つスピーカーケーブルを使用する。

高出力または長距離の配線では、ケーブル抵抗による電圧降下と電力損失を考慮して導体断面積を選択する。

Bridge-Mono時には通常のStereo接続と異なるピンアサインを使用する場合があり、使用するケーブルの内部配線を確認する。

XLiシリーズ

Crown XLiシリーズには、出力の異なる複数のモデルが存在する。

CrownはXLiシリーズを、ミュージシャン、DJ、エンターテイナー、礼拝施設、ディスコ、パブなどを想定したパワーアンプシリーズとしている。[1]

脚注

外部リンク

関連項目