Cerwin-Vega CiV-118S
Cerwin-Vega CVi-118S(サーウィン・ベガ CVi-118S)は、Cerwin-Vegaが展開するCVi Portableシリーズの18インチ・パッシブサブウーファーである。
18インチのキャストフレーム・トランスデューサーと3インチ・ボイスコイルを搭載し、ライブPA、DJシステム、ホール、クラブ、屋外ステージなどで低域を補強する用途に使用される。[1][2]
公称インピーダンスは8 Ω、許容入力は300 W RMS、600 W Program、1200 W Peak、感度は95 dB SPL(1 W / 1 m)、最大音圧レベルは126 dB SPLとされる。[1]
概要
CVi-118Sは、Cerwin-VegaのCVi Portableシリーズに属するパッシブ・サブウーファーである。
CViシリーズのフルレンジスピーカーへ低域再生を追加する目的で設計されており、Cerwin-Vega CVi-152やCerwin-Vega CVi-252などと組み合わせてPAシステムを構成できる。[3]
Cerwin-VegaはCVi-118Sを、ライブ音楽および音源再生用途においてCViフルレンジシステムの低域を拡張・補強する18インチ専用サブウーファーとして説明している。[2]
CVi Portableシリーズ
CVi Portableシリーズには、
- Cerwin-Vega CVi-122M
- Cerwin-Vega CVi-152
- Cerwin-Vega CVi-252
- Cerwin-Vega CVi-118S
- Cerwin-Vega CVi-218S
などが存在する。[3]
各モデルはステージモニター、フルレンジPA、低域補強など異なる役割を持ち、用途や会場規模に応じて組み合わせることができる。
Cerwin-VegaはCVi Portableシリーズを、ライブパフォーマンス、DJ、バンド、クラブ、ホール、屋外イベント、レンタルPAなどの用途に向けたシリーズとしている。[3]
18インチ・トランスデューサー
CVi-118Sは18インチの低域用トランスデューサーを1基搭載する。
ドライバーはキャストフレーム構造を採用し、3インチ・ボイスコイルを備える。[2]
概念的な構成は、
Power Amplifier
↓
CVi-118S
↓
18" Low-Frequency Transducer
となる。
大型の18インチ振動板を使用することで、フルレンジPAスピーカーより低い周波数帯域の再生と高い低域音圧を担当する。
エンクロージャー
CVi-118SはReflex Loaded構造を採用したバスレフ型サブウーファーである。[2]
エンクロージャー形状はVented Polygonで、構造材には18 mm OSBと内部ブレーシングを使用する。
外装にはブラックのポリプロピレンファイバーを使用し、前面には18 gaugeのブラック・パウダーコート・スチールグリルを備える。[2]
キャビネットにはスチール製ハンドルが装備され、ポータブルPA用途での運搬を想定した構造となっている。
ポールマウント
CVi-118Sにはポールマウント用カップが装備される。[2]
これを利用して、サブウーファーを床面へ設置し、その上にポールを介してフルレンジスピーカーを配置する構成を作ることができる。
Full-Range Speaker
│
Pole
│
CVi-118S
│
Floor
小規模から中規模のPAシステムで、トップスピーカーとサブウーファーを上下にまとめて配置する際に利用できる。
周波数特性
CVi-118Sの周波数特性は、
45 Hz – 200 Hz ±3 dB
公式仕様では-10 dBの低域側動作範囲として32 Hzが示されている。[1]
サブウーファーとして主に低域を担当し、フルレンジスピーカーとの帯域分割には外部クロスオーバーやスピーカープロセッサーを使用できる。
感度
CVi-118Sの軸上感度は、
95 dB SPL 1 W / 1 m
である。[1]
感度は、1 Wの入力を与え1 mの位置で測定した音圧レベルを基準とする指標である。
実際のPAシステムで得られる音圧は、パワーアンプ出力、信号内容、設置位置、床面や壁面との関係、複数台の相互作用などによって変化する。
最大音圧レベル
CVi-118SのCalculated Maximum Outputは、
126 dB SPL @ 1 m
とされる。[1]
複数台のサブウーファーを使用するシステムでは、設置間隔、位相、極性、ディレイなどによって低域の合成状態が変化する。
許容入力
CVi-118Sの許容入力は次の通りである。[1]
| 表記 | 許容入力 |
|---|---|
| RMS | 300 W |
| Program | 600 W |
| Peak | 1200 W |
RMS、Program、Peakは異なる時間条件や信号条件に対応する指標である。
パワーアンプを選択する際には、これらの値に加えて、
- 公称インピーダンス
- アンプの定格出力
- アンプの動作モード
- リミッター設定
- 接続するサブウーファーの台数
- 使用するプログラム信号
を考慮する。
Cerwin-VegaもCViシリーズのアンプ選定について、Power Handling、Impedance、System Configuration、接続台数を考慮するよう案内している。[3]
公称インピーダンス
CVi-118Sの公称インピーダンスは8 Ωである。[1]
1台を1つのパワーアンプチャンネルへ接続する場合、アンプから見た公称負荷は8 Ωとなる。
同一アンプ出力へ2台を並列接続した場合、理想化した合成インピーダンスは、
8 Ω || 8 Ω = 4 Ω
となる。
4台を並列接続した場合には、
8 Ω || 8 Ω || 8 Ω || 8 Ω = 2 Ω
となる。
複数台を並列接続する際には、パワーアンプが対応する最低負荷インピーダンスを確認する。
パワーアンプとの接続
CVi-118Sはパッシブサブウーファーであり、外部パワーアンプを使用して駆動する。
基本的な信号経路は、
Mixer ↓ Crossover / Speaker Processor ↓ Power Amplifier ↓ CVi-118S
となる。
例えばCrown XLi 3500やCrown XTi2 6002などのパワーアンプを使用する場合には、8 Ω時の定格出力とCVi-118Sの300 W RMS / 600 W Program / 1200 W Peakとの関係を確認する。
大きな出力能力を持つパワーアンプを使用する場合には、ゲイン構造とリミッターを適切に設定し、スピーカーへ供給される電力を管理する。
Bridge-Monoとの関係
CVi-118Sは8 Ω負荷であるため、ブリッジモノモードを使用するパワーアンプとの組み合わせも構成できる。
Bridge-Monoでは2つのアンプチャンネルを組み合わせ、1つのスピーカー負荷を駆動する。
Amplifier CH1 ──┐
├── CVi-118S
Amplifier CH2 ──┘
Bridge-Mono時にはアンプの出力電圧と最大出力が大きくなるため、CVi-118Sの許容入力との関係を確認する。
例えばCrown XLi 3500は8 Ω Bridge-Mono時に2700 Wの定格出力を持つため、CVi-118Sの1200 W Peakを大きく上回る。こうした組み合わせでは、アンプの最大能力を前提として直接駆動するより、DSPリミッター、ゲイン設定、運用レベルを含めた保護設計が重要となる。
Bridge-MonoをspeakONで接続する場合には、アンプ側の指定ピンアサインに応じてモノブリッジケーブルを使用する場合がある。
入力コネクタ
CVi-118Sは、
- 1/4インチPhone Jack ×2
- Neutrik speakON ×2
を備える。[2]
複数の入力コネクタを利用し、同一アンプ系統から別のパッシブスピーカーへ信号をリンクする構成を作ることができる。
PAシステムではロック機構を持つspeakONを利用することで、高い電力を扱うスピーカー接続を固定しやすくなる。
speakON接続
通常の2芯スピーカー接続では、
1+ → Speaker + 1- → Speaker -
を使用する構成が一般的である。
実際のピンアサインはCViシリーズのマニュアルおよび接続するパワーアンプの仕様を確認する。
通常のアンプ出力からCVi-118Sへ接続する場合には、
Power Amplifier
↓
speakON Speaker Cable
↓
CVi-118S
という構成になる。
スピーカーケーブル
CVi-118Sとパワーアンプの接続にはスピーカーケーブルを使用する。
スピーカーケーブルはパワーアンプの出力電流を伝送するため、ラインレベル用のXLRケーブルとは異なる導体断面積が求められる。
ケーブル選定では、
- ケーブル長
- 導体断面積
- スピーカーインピーダンス
- アンプ出力
- 電圧降下
- ケーブル損失
- コネクタの定格
を考慮する。
短〜中距離では14 AWG程度、高出力または長距離では12 AWGなど、使用条件に応じた導体断面積を選択できる。
クロスオーバー
CVi-118Sをフルレンジスピーカーと組み合わせる場合、外部クロスオーバーまたはDSPによって低域と中高域を分割できる。
例えば、
Mixer
↓
Crossover
├─ LOW
│ ↓
│ Sub Amplifier
│ ↓
│ CVi-118S
│
└─ HIGH
↓
Top Amplifier
↓
CVi-252
という構成を作ることができる。
CVi-118Sの±3 dB周波数特性は45 Hz – 200 Hzであるため、システムの設計に応じてフルレンジスピーカーとのクロスオーバーポイントを設定する。
実際のクロスオーバー周波数は、トップスピーカーの特性、設置位置、必要な最大音圧、位相関係、使用するフィルター特性などに応じて決定する。
dbx 234XL / 234xsとの組み合わせ
dbx 234XLおよびdbx 234xsはアナログ・クロスオーバーとしてCVi-118Sを含むマルチアンプPAシステムに使用できる。
例えばStereo 2-wayでは、
Mixer L/R
↓
dbx 234xs
├─ LOW L/R
│ ↓
│ Sub Amplifier
│ ↓
│ CVi-118S
│
└─ HIGH L/R
↓
Main Amplifier
↓
Full-Range Speakers
という構成を作ることができる。
左右の低域をモノラルで使用する場合には、dbx 234XL / 234xsのLF Sum機能を利用する構成も可能である。
CVi-252との組み合わせ
Cerwin-Vega CVi-252はデュアル15インチのフルレンジPAスピーカーであり、CVi-118Sと同じCVi Portableシリーズに属する。
Cerwin-VegaはCViフルレンジスピーカーとCViサブウーファーを組み合わせることで、
- より深い低域
- より高い総合出力
- ライブ演奏での低域インパクト
- 大規模会場での低域再生能力
を得られるとしている。[3]
基本的な構成は、
┌→ CVi-252
Mixer → DSP ───┤
└→ CVi-118S
となる。
CVi-252とCVi-118Sへ別々のパワーアンプを割り当て、クロスオーバーによって担当帯域を分割することができる。
JBL JRX225との組み合わせ
JBL JRX225のような他社製フルレンジPAスピーカーとCVi-118Sを組み合わせることもできる。
異なるメーカーやシリーズのスピーカーを組み合わせる場合には、
- 周波数特性
- 感度
- 最大音圧
- 公称インピーダンス
- クロスオーバー周波数
- 極性
- 位相
- ディレイ
などを個別に確認する。
外部DSPやクロスオーバーを利用すると、サブウーファーとトップスピーカーの特性に合わせて帯域分割と時間調整を行うことができる。
複数台運用
CVi-118Sは複数台を使用して低域の出力を拡張できる。
2台以上のサブウーファーを使用する場合、電気的な接続条件だけでなく、物理的な配置による音響的な相互作用も重要となる。
複数のサブウーファーから同じ低域信号を再生すると、位置関係によって、
- 加算
- 打ち消し
- 指向性の変化
- 周波数ごとの音圧分布の変化
が生じる。
このため、PAシステムではサブウーファーの配置、極性、ディレイを調整して低域の分布を設計することがある。
主な用途
Cerwin-VegaはCVi-118Sの用途として、次の例を挙げている。[2]
- Portable live sound PA
- DJ system PA
- Auditoriums
- Drum monitor sub
- Clubs
- Outdoor stages
ポータブルPAのメイン低域システムとして使用できるほか、ドラムモニターの低域補強にも使用できる。
外形寸法と重量
CVi-118Sの外形寸法は次の通りである。[1]
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 高さ | 24.25 in / 616 mm |
| 幅 | 20 in / 508 mm |
| 奥行 | 24.75 in / 629 mm |
| 重量 | 79.5 lb / 36.1 kg |
重量は36.1 kgであり、運搬、設置、積み下ろしでは安全面への配慮が必要となる。
主な仕様
| 項目 | Cerwin-Vega CVi-118S |
|---|---|
| 製品種別 | パッシブ・サブウーファー |
| System Configuration | Dedicated Subwoofer |
| Low-Frequency Driver | 18インチ ×1 |
| Voice Coil | 3インチ |
| Loading | Reflex Loaded |
| Frequency Response | 45 Hz – 200 Hz(±3 dB) |
| Low-Frequency Operating Range | 32 Hz(-10 dB) |
| Nominal Impedance | 8 Ω |
| Sensitivity | 95 dB SPL(1 W / 1 m) |
| Calculated Maximum Output | 126 dB SPL @ 1 m |
| Power Handling RMS | 300 W |
| Power Handling Program | 600 W |
| Power Handling Peak | 1200 W |
| Connections | 1/4" Phone ×2、Neutrik speakON ×2 |
| Enclosure | Vented Polygon |
| Cabinet Material | 18 mm OSB with internal bracing |
| External Covering | Black polypropylene fiber |
| Grille | 18 gauge powder-coated steel |
| Dimensions | 616 × 508 × 629 mm |
| Weight | 36.1 kg |
仕様値はCerwin-Vega公式製品情報およびCerwin-Vega Europeの製品情報に基づく。[1][2]
公式資料
Cerwin-VegaはCViシリーズについて、
- CVi Series Manual
- CVi Series Cut Sheet
- CVi-118S Datasheet
などの技術資料を公開している。[4]
アンプとの接続、ピンアサイン、複数台構成などを確認する際には、使用する製品の公式マニュアルを参照する。
脚注
外部リンク
- Cerwin-Vega - CVi-118S
- Cerwin-Vega Europe - CVi-118S
- Cerwin-Vega - CVi Portable Speakers FAQ
- Cerwin-Vega - Product Manuals & Downloads
- Cerwin-Vega - CVi Portable