2拍
2拍(にはく)は、連続する2個分の拍に相当する時間範囲を表す。特定の音価そのものではなく、何を1拍として数えるかによって対応する記譜上の長さが変化する。
基本概念
1拍の長さをBとすれば、2拍は単純に
2B
の時間を占める。
4/4拍子で4分音符を1拍とする場合は、
2拍 = 4分音符2個 = 2分音符1個
となる。
この関係から、4/4拍子では「2拍伸ばす」という指示が2分音符相当の長さとして理解されることが多い。
2拍は2分音符とは限らない
2拍と2分音符を同一視すると、拍子や拍の取り方が変わったときに誤りが生じる。
たとえば2/2拍子で2分音符を1拍とする場合、
2拍 = 全音符1個
となる。
6/8拍子を付点4分音符2拍として取る場合は、
2拍 = 付点2分音符1個
であり、これは通常1小節全体に相当する。
したがって「2拍」は拍節上の長さであり、「2分音符」は記譜上の固定的な相対音価である。
小節との関係
2拍が小節のどの程度を占めるかも拍子によって異なる。
- 4/4拍子では2拍は通常、1小節の半分。
- 2/4拍子では2拍は通常、1小節全体。
- 3/4拍子では2拍は1小節の3分の2。
- 6/8拍子を2拍で取る場合は2拍で1小節全体。
このため「2拍後」「2拍伸ばす」「2拍単位」という指示を解釈するときは、現在の拍子とtactusを確認する必要がある。
2拍を一単位として感じる場合
音楽では、個々の拍より大きなまとまりとして2拍単位を感じることがある。
4/4拍子では、
1 2 | 3 4
のように2拍ずつを下位グループとして感じることができる。
また非常に速い4/4では、1小節を4回ではなく2回の大きな脈動として感じることがあり、演奏者が実質的にhalf-note tactusで拍を取る場合もある。
この場合、記譜上の4分音符4拍と、身体的・知覚的に感じる2つの大きな拍が併存することになる。
2拍3連符
4/4拍子で4分音符を1拍とする典型例では、2拍分、すなわち2分音符相当の時間を3つの等しい位置へ分ける。
このとき重要なのは「4分音符3個を2拍の中へ押し込む」という表記上の説明だけではなく、2拍という上位時間範囲を3等分するという時間構造である。
リズムパターン
2拍という範囲は、多くのリズムパターンを記述する際の便利な単位になる。
たとえば4/4の1小節を前半2拍・後半2拍に分けて、キック、スネア、ベース、コードの配置を比較することができる。
また3+3+2のようなパターンも、8分音符8個=4/4の2拍ではなく、通常は4拍分の8分音符8個を対象とするなど、何を1拍と数えているかを明示しなければ「2拍」という語だけではリズム構造を一意に決められない。
DAWでの2拍
4/4拍子・4分音符1拍の一般的なDAWでは、2拍はグリッド上で2個のquarter-note intervalに相当する。
120 BPMなら1拍0.5秒なので2拍は1秒となる。
ただしテンポオートメーションが途中に存在する場合、音楽上は2拍でも実時間の秒数は区間内で一定とは限らない。