Sn63Pb37 (ハンダ)

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Sn63Pb37は、質量比でおおむね錫(Sn)63%、鉛(Pb)37%からなるSn-Pb系はんだ合金である。電子工作や配線で広く使われてきた代表的な共晶はんだで、表記はSn63/Pb37、63/37などともされる。

共晶組成

Sn-Pb系には、液体からSn-rich相とPb-rich相が同時に生成する共晶点がある。NISTの熱力学計算では共晶反応は約182.2°C、組成は質量比でSn 62.13%、Pb 37.87%とされる。

市販はんだではこれを丸めたSn63Pb37が標準的な共晶組成として扱われ、融点は一般に約183°Cと表記される。

ペースト状温度域がない

共晶組成の大きな特徴は、固相線と液相線がほぼ同じ温度にあることである。Sn60Pb40のような非共晶合金では、加熱・冷却時に固体と液体が共存するペースト状温度域があるが、Sn63Pb37ではこの範囲が事実上ない。

そのため、冷却中に接合部を動かして状態を乱す時間が短く、手はんだでは扱いやすい組成として知られる。

具体的な製品

代表例としてKester 44にはSn63Pb37仕様があり、0.25 mm、0.40 mm、0.50 mm、0.60 mm、0.80 mm、1.0 mm、1.27 mm、1.5 mmなど多くの線径が用意されている。

MG Chemicalsの4880–4888 Sn63/Pb37 RA Solder Wireも、ロジン活性型フラックスを芯に持つ具体例である。同社はこの製品をeutectic alloy、liquidus = solidusとしている。

Sn60Pb40との違い

Sn60Pb40は183〜190°C程度の溶融範囲を持つのに対し、Sn63Pb37は約183°Cで鋭く相変化する。

両者はどちらも電子・配線用途で広く使われてきたが、Sn63Pb37は共晶挙動、Sn60Pb40は若干広い作業温度域という違いがある。Kester 44では両方の組成が製品化されている。

ケーブル製作

XLR、TS、RCA、mini XLRなど、はんだ端子を持つ音響コネクタの組立にも適する。ロジンコア製品なら、はんだ供給と同時にフラックスを供給できる。

ただし、必要なこて温度は融点そのものより高く設定されるのが普通で、端子の熱容量、導体断面積、こて先、作業時間によって適正条件は変わる。

安全性

Sn63Pb37は37%の鉛を含む。作業後の手洗い、作業区域での飲食回避、切れ端や残渣の適切な管理が必要である。ロジンコア製品では、加えてフラックス煙への換気対策も必要になる。

参考資料