Kester 44

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Kester 44は、Kesterが製造する活性ロジン系フラックスを芯材に用いたフラックス入りはんだワイヤー(44 Flux-Cored Wire)である。電子工作、配線、ケーブルアセンブリなどで長く使われてきた代表的なロジンコアはんだの一つである。

フラックス

Kester 44のフラックスはactivated rosin(活性ロジン)系で、J-STD-004ではROM1に分類される。

J-STD-004の表記では、ROはrosin、Mはmoderate activity、末尾の1はハライドを含む区分を示す。Kesterは44について、濡れ広がりが速く、迅速なwettingを特徴としている。

44は単一の金属組成を指す製品名ではない。同じ44フラックスを芯に使いながら、複数のはんだ合金、線径、フラックス含有率が存在する。

鉛入り合金の例

Kesterの現行製品表には、44フラックスを用いた鉛入り製品として、Sn63Pb37、Sn60Pb40、Sn50Pb50、Sn40Pb60などが掲載されている。

代表例として、Sn63Pb37では0.25 mmから3.0 mm級まで複数の線径があり、Sn60Pb40にも0.40 mm、0.50 mm、0.80 mm、1.0 mm、1.27 mm、1.5 mmなど多数の仕様がある。フラックス量も2.2%、3.3%など複数の設定が存在する。

したがって「Kester 44」とだけ言っても、合金比率、線径、フラックス量までは特定できない。購入・使用時にはラベルや品番を確認する必要がある。

Sn63Pb37とSn60Pb40

Sn63Pb37は約183°Cで固体から液体へ移る共晶系で、ペースト状の温度域をほぼ持たない。対してSn60Pb40は約183〜190°Cの溶融範囲を持つ。

手はんだではどちらも広く使われてきた。Kester 44には両方の組成が存在するため、「44だから63/37」「44だから60/40」とは限らない。

ケーブル製作での用途

XLR、TS、RCA、mini XLR、D-subなど、はんだ端子を持つコネクタのケーブルアセンブリで使用できる。実際の作業温度は合金組成、端子の熱容量、こて先形状、無酸素銅を含む導体サイズなどによって変わる。

フラックス入りはんだであっても、酸化が強い母材や大きな熱容量を持つ部品では、追加フラックスや異なる工程が必要になる場合がある。

安全性

Sn-Pb系のKester 44は鉛を含む。作業後の手洗い、飲食物からの隔離、作業面の清掃など、鉛を扱う前提の衛生管理が必要である。また、はんだ付け時にはロジン系フラックスの加熱分解物が発生するため、適切な局所排気・換気を行う。

参考資料