無酸素銅

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無酸素銅(むさんそこう、英: oxygen-free copper, OFC)は、酸素含有量を非常に低く抑えて製造された高純度・高導電率の銅である。オーディオケーブルでは導体材料として広く使われ、製品説明ではOFCと略記されることが多い。

「無酸素」の意味

無酸素銅は、文字どおり酸素が完全にゼロという意味ではない。ASTM B170では、oxygen-free copperを酸素含有量0.0010%(10 ppm)以下の銅として定義している。

同規格では、UNS C10100をOFE(oxygen-free electronic)、C10200をOF(oxygen-free)として区分する。Copper Development AssociationのC10200データでは、銅含有量は最低99.95%、酸素は最大0.0010%とされる。

導電率

C10200の代表的な電気伝導率は約101% IACSとされる。ここでIACSは銅の導電率を比較するための基準であり、「101%」は純度が101%という意味ではない。

同じ長さ・断面積なら、導体の抵抗は材料の抵抗率で決まる。ただし実際のギターシールド、ツイストペア、スターカッドなどでは、導体断面積、長さ、接触抵抗、構造、静電容量、シールド方式なども電気的特性を左右する。

オーディオケーブルでの使用

無酸素銅は、マイクケーブル、楽器ケーブル、スピーカーケーブル、内部配線などで広く用いられる。導体がOFCであることは材料仕様の一つであり、それだけでケーブル全体の音響性能を一意に決めるものではない。

たとえばギターシールドでは、導体材料だけでなくケーブルの静電容量がパッシブ・ピックアップとの相互作用に影響する。バランス接続用ケーブルでは、2導体の幾何学的対称性やツイストペア構造、シールド構造もノイズ耐性に重要である。

タフピッチ銅との違い

一般的なETP(electrolytic tough pitch)銅は酸素を一定量含むのに対し、OFCは酸素含有量を大幅に低く抑える。OFCは高導電率に加え、還元性雰囲気での高温処理など、酸素由来の問題を避けたい用途でも使われる。

オーディオ用途ではOFCという名称が品質表示として目立つが、ケーブルを評価する際にはOFCかどうかだけでなく、導体径、構造、シールド、コネクタ、長さなどを合わせて見る必要がある。

参考資料