ギターシールド
ギターシールドは、日本の楽器分野で、エレクトリックギターやエレクトリックベースなどとアンプ、エフェクター、DIなどを接続する楽器用ケーブルを指して用いられる通称である。英語では一般にinstrument cableやguitar cableと呼ばれる。
一般的な構造
代表的なギターシールドは、1本の中心導体を絶縁体で覆い、その外側をシールド導体で囲んだ構造を持つ。両端には6.35 mm(1/4インチ)のTSフォーンプラグを使用する構成が一般的である。
この場合、中心導体をTipへ、外側のシールド導体をSleeveへ接続し、アンバランスの1チャンネル信号を伝送する。
なぜシールドが必要か
パッシブ・ピックアップを備えたエレクトリックギターの出力は比較的高インピーダンスであり、外来ノイズやケーブルの電気特性の影響を受けやすい。外側のシールド導体は電界ノイズの侵入を抑える役割を持つ。
楽器用ケーブルでは、演奏中に踏まれたり曲げられたりすることで生じるハンドリングノイズ(microphonics)も問題となる。Mogami 2524やCanare GS-6などでは、主シールドの内側に導電性PVC/カーボン系の層を設け、帯電や機械的変形に伴うノイズを抑える構造が採用されている。
この導電層は導体として振る舞うため、端末処理時に中心導体へ触れないよう適切に除去する必要がある。
静電容量と長さ
ギターケーブルには中心導体とシールド間の静電容量が存在し、その値はケーブル長にほぼ比例して増える。Mogami W2524は公称130 pF/m、Canare GS-6は公称160 pF/mである。
パッシブ・ピックアップのような高インピーダンス源では、ケーブル容量がピックアップのインダクタンスやボリューム回路などと相互作用し、共振周波数や高域特性に影響する。このため、同じギターでもケーブルの種類や長さによって高域の感じ方が変わることがある。
一方、アクティブ・ピックアップやバッファーを通過した低インピーダンス信号では、同じ長さ・容量による影響は一般に小さくなる。
「シールド」という言葉
技術用語としてのshieldは、本来はケーブル内部の遮蔽導体または遮蔽構造を指す。日本の楽器分野では、そこから転じてケーブルアセンブリ全体を「シールド」と呼ぶことが多い。
したがって「シールド線」は内部構造を指す場合と、完成したギターケーブルを指す場合があり、文脈によって意味を区別する必要がある。
代表的な選定要素
ギターシールドを選ぶ際には、静電容量、シールド構造、柔軟性、耐屈曲性、外径、コネクタの構造などが主な要素となる。単純に導体の太さだけで音響的・機械的性能が決まるわけではない。