音符
音符(おんぷ、英: note)は、音楽記譜法において、主として音の音高と音価を表す記号である。五線譜では、五線上の位置や音部記号との関係によって音高を示し、符頭・符幹・旗・連桁・付点などの形によって音価を示す。
音符の音価は、通常、他の音符との相対的な長さとして定義される。実際に何秒間演奏されるかはテンポによって変わり、また拍・拍子・小節の中でどのような役割を持つかは拍子記号や拍節によって決まる。
音符が表すもの
音高
五線譜では、音符の符頭が五線のどの線・間に置かれるかによって音高が示される。ただし、その位置だけでは絶対的な音高は確定せず、ト音記号、ヘ音記号、ハ音記号などの音部記号によって基準が定められる。
必要に応じて臨時記号や調号が加わり、実際に演奏する音高が決まる。
音価
音符の形は、音がどれだけ持続するかを相対的に示す。
現代の一般的な音価系列では、代表的に次のような関係がある。
通常の固定的な相対音価としては、全音符1個は2分音符2個、4分音符4個、8分音符8個に相当する。音価が半分になるごとに、8分音符以降では旗または連桁が1本ずつ増えていく。
ただし、全音符には歴史的・慣用的な記譜において小節全体を担う用法もあり、具体的な譜面の解釈では拍子や文脈が重要になる。
付点音符
音符の右側に付点を1個付けると、元の音価の半分が加算される。このような音符を付点音符という。
代表例には次のものがある。
たとえば付点4分音符は、4分音符1個と8分音符1個を合わせた長さを持つ。
付点を2個以上持つ複付点音符もあり、第2の付点は元の音価の4分の1、第3の付点は8分の1というように加算される。
連符
通常の分割とは異なる個数に時間を等分する場合、連符を用いる。
代表的なものには、
などがある。
連符の数字は単独で絶対的な時間長を示すものではなく、どの通常音価・どの拍・どの時間範囲を置き換えているかによって意味が決まる。
タイによる音価の連結
同じ音高の連続する音符をタイで結ぶと、後続音を再発音せず、各音符の音価を加算した長さだけ持続させることができる。
タイは小節線を越えて音を持続させる場合や、拍節構造を見やすく保ちながら長い音価を表す場合に重要である。
音符の構成要素
現代の一般的な音符は、音価に応じて次の要素から構成される。
すべての音符がすべての要素を持つわけではない。たとえば全音符には通常符幹がなく、4分音符には旗がない。8分音符以下では、単独では旗、複数をまとめる場合には連桁が用いられることが多い。
拍・拍子・小節との関係
音符の音価と、拍・拍子・小節は関連するが同一の概念ではない。
たとえば4分音符は固定的な相対音価を持つが、それが常に1拍になるわけではない。4/4拍子では通常4分音符が1拍となる一方、2/2拍子では2分音符が拍の単位として扱われる。
同様に、6/8拍子では8分音符6個分で1小節が構成されるが、典型的には付点4分音符を1拍として2拍に感じる複合拍子として解釈される。
したがって、音価を単純な数学的分数としてだけ理解するのではなく、拍節の中でどのように配置されているかを読む必要がある。
音符と休符
休符は、一定時間の無音を示す記号である。音符と休符は、全音符と全休符、4分音符と4分休符のように対応する音価体系を持つ。
用語体系によっては休符を広義の音符類に含めて扱うこともあるが、通常の説明では、発音を示す音符と無音を示す休符を区別して扱う。
コンピュータ上の表現
MusicXMLでは、音符は <note> 要素を中心に表現され、音高、音価、タイ、付点、連符、声部などの情報を個別に保持できる。
記譜上の音価には whole、half、quarter、eighth、16th、32nd、64th などの値が用いられる。