ロジンコア (ハンダ)
ロジンコアはんだ(英: rosin-core solder)は、線状のはんだ合金の内部にフラックスとしてロジン系材料を封入したフラックス入りはんだである。手はんだ付けでは、はんだとフラックスを同時に供給できるため、電子工作、修理、配線、ケーブル製作などで広く用いられる。
構造
外側はSn-Pb系や鉛フリー系などのはんだ合金で、中心部に1本または複数本のフラックスコアが入る。加熱すると、金属より先にフラックスが軟化・活性化し、接合部表面の酸化物を除去して溶融はんだの濡れを助ける。
フラックス量は製品ごとに異なり、たとえばKester 44には2.2%、3.3%などの仕様が存在する。
ロジンと活性度
ロジン系フラックスにも活性度の違いがある。古くはR、RMA、RAなどの呼称が広く使われてきたが、現在のJ-STD-004では、基材と活性度を組み合わせた分類が用いられる。
たとえばKester 44はROM1、Kester 282はROL1に分類される。どちらもロジン系だが、活性度は同じではない。
したがって「ロジンコア」という言葉だけでは、洗浄要否、腐食性、ハライド量、活性度を完全には特定できない。
合金との組み合わせ
ロジンコアはフラックスの構造・種類を表す言葉であり、金属合金比率とは別の属性である。
鉛入りでは、Sn63Pb37、Sn60Pb40、Sn50Pb50などのロジンコア製品が存在する。合金比率によって融点やペースト状温度域が変わる。
具体例として、Kester 44にはSn63Pb37、Sn60Pb40、Sn50Pb50などがあり、MG ChemicalsにはSn63/Pb37 RA Solder Wire 4880–4888シリーズやSn60/Pb40 RA Solder Wire 4890–4898シリーズがある。
共晶と非共晶
Sn63Pb37は一般に共晶はんだとして扱われ、約183°Cで急に固体/液体が切り替わる。
Sn60Pb40やSn50Pb50、Sn30Pb70は非共晶で、固相線と液相線の間に固体と液体が共存するペースト状温度域を持つ。この範囲は鉛比率が高くなるほど広くなる傾向がある。
ケーブルアセンブリ
TS、RCA、XLR、mini XLRなどのはんだ端子では、ロジンコアはんだを使うことで、端子と銅導体へフラックスを同時供給できる。
ただし、端子表面のめっき、導体サイズ、無酸素銅かどうか、予備はんだの有無、こて先温度などにより濡れ方は変わる。フラックスコアの存在は、適切な加熱と機械的固定を不要にするものではない。
安全性
鉛入りロジンコアはんだでは、鉛への接触管理と、加熱されたロジンフラックスの煙への曝露対策を分けて考える必要がある。作業後の手洗い、作業面の清掃、局所排気・換気が基本となる。