Sn60Pb40 (ハンダ)

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Sn60Pb40は、質量比で錫(Sn)60%、鉛(Pb)40%からなるSn-Pb系はんだ合金である。60/40、Sn60/Pb40などとも表記され、電子工作、修理、配線、ケーブルアセンブリで長く使われてきた。

溶融範囲

Kesterのデータでは、Sn60Pb40の固相線は約183°C、液相線は約190°Cである。

つまり183°Cを超えた直後に全体が一度に液体になるのではなく、約7°Cの範囲で固体と液体が共存する。これをペースト状温度域(plastic/pasty range)という。

Sn63Pb37との違い

Sn63Pb37は約183°Cの共晶組成で、固相線と液相線がほぼ一致する。Sn60Pb40は非共晶のため、183〜190°Cの範囲を持つ。

実際の手はんだでは両者とも扱いやすいが、Sn63Pb37は冷却時の相変化が鋭く、Sn60Pb40は短いながらもペースト状の時間を持つ。

具体的な製品

Kester 44にはSn60Pb40仕様が多数あり、0.40 mm、0.50 mm、0.60 mm、0.80 mm、1.0 mm、1.27 mm、1.5 mmなど複数線径が掲載されている。フラックス量も2.2%、3.3%などがある。

MG Chemicalsの4890–4898 Sn60/Pb40 RA Solder Wireも具体例で、ロジン活性型フラックスを芯に持つ。

ケーブル製作

音響ケーブルでは、XLR、TS、RCA、mini XLR、D-subなどのはんだ端子に使用できる。比較的低い液相線温度と良好な濡れ性から、銅導体とコネクタ端子の手はんだに使いやすい。

無酸素銅を含む銅導体は熱をよく伝えるため、太い導体や大型端子では接合部全体へ短時間で十分な熱を供給することが重要になる。

Sn50Pb50・Sn30Pb70との比較

鉛比率がさらに高いSn50Pb50は183〜212°C、Sn30Pb70はおよそ183〜255°Cと、より広い溶融範囲を持つ。

このため、電子部品の細かな手はんだでは60/40や63/37の方が一般的である。

安全性

40%の鉛を含む。鉛そのものへの衛生管理に加え、ロジンコア製品ではフラックス煙への曝露を減らすための換気・局所排気を行う。

参考資料